イタリアのスパークリングワインを牽引するフェッラーリ社が、トスカーナで造るサンジョヴェーゼ主体の赤ワイン。赤いフルーツやハーブ、ミネラルの香りを持ち、心地良いタンニンと酸味を兼ね備えたエレガントで芳醇な逸品。

2021年7月、テヌータルネッリのCEOを務める3代目アレサンドロ氏にお話を聞きました。テヌータルネッリは、トスカーナに拠点を置くテヌータ ポデルノーヴォを手掛けています。そのテヌータ ポデルノーヴォで造られた「アリオット」は、テヌータで最初にオーガニック認定を受けたワインです。トスカーナの海側で育った珍しいサンジョヴェーゼを使用。3代目のアレサンドロ氏は「アリオットは、カベルネソーヴィニヨンやメルローを使っているので、エレガントで国際的な味わいです。気軽に飲んでほしいワインですね。」と話していました。

海洋性の化石がザクザクと出る非常にユニークな土壌

ピサ近郊に位置するテヌータ ポデルノーヴォは、エトルリア時代（紀元前8世紀～紀元前1世紀頃）からワインが造られていた海沿いの丘陵地帯に位置しています。長いワイン造りの歴史が証明するように、この地はブドウの成熟に適しているミクロクリマを備えており、海洋性の化石をふんだんに含む非常にユニークな土壌にも注目が集まっています。畑を歩くたびに“ザクザク”と化石を踏む音がするほどユニークな土壌で、海由来のミネラルを豊富に感じるワインに仕上がります。

イタリア国内初、ルネッリ家が導入したブドウ管理システム「アニマヴィティス」

アニマヴィティスとは、ルネッリ家がイタリア国内で初めて導入したブドウ畑管理プログラムです（最初にテヌータ ポデルノーヴォで採用）。ブドウの樹の健康を常時監視することができ、収穫に理想的な日、時間、状況を確認するために大きく役立ちます。

ブドウ畑を綿密に解析し、高品質なブドウのみの選別が可能に

従来、ブドウの樹や葉の詳細なデータを測定、管理することは困難とされ、不均一なブドウを収穫することにつながっていました。アニマヴィティスはその問題を解決するべく、最先端のセンサーを用いてブドウ畑や葉、土壌について細部に渡る情報まで解析することができます。その結果、健康に育ったブドウのみ収穫することが可能になり、高品質なワイン生産を行うことができます。

アニマヴィティスを使用するルネッリの3代目アレサンドロ氏に、導入後の感想をお聞きすると、

「毎年、同じブドウ（の樹や葉）が健康であることはなく、どうしてもその年によって品質の差が生まれてしまいます。アニマヴィティスは“その瞬間”におけるブドウの状態を毎回計測することができるので、毎年データに基づいて優れたブドウを選定することができています。

テヌータ ポデルノーヴォで栽培しているカベルネフランも、アニマヴィティスによって土壌に最適な品種であることがわかり、カベルネフラン100％を造り始めました。近年、我々が手掛けるテヌータで多くのワインが高得点を受賞するようになったのも、アニマヴィティスの効果が大きいと思います」と答えてくださいました。

ワインガイド評価

『ジェームズサックリング』91点（2016ヴィンテージ）

非常にきれいなワイン。きめ細やかなベリー、スグリ、ヘーゼルナッツのニュアンス。ミディアムボディ。フレッシュな仕上がり。（2018年9月）

テヌータ ポデルノーヴォ は、イタリアNo1の瓶内二次発酵のスプマンテの造り手として知られるフェッラーリを所有するルネッリ家がトスカーナで手掛けるワイナリーです。

醸造学校時代の知人から、トスカーナのピサ近郊の海沿いの丘陵地帯に素晴らしい土地があると紹介されたのが始まり。海の近くで畑からは貝の化石が多く見つかる土地で、エトルリア時代からワインが造られていた長い歴史があります。ここで、トスカーナを代表するサンジョヴェーゼを中心に、国際品種を使った個性的なワインを造っています。

ワイナリーのシンボルは海洋化石。このエステート内の鮮新世紀の青い粘土質土壌や黄色い砂質土壌のブドウ畑から、石炭紀後期の海洋化石が豊富に発見されたことに由来します。