オーストリア＆スロヴェニアの天才兄弟『グロース』。兄ヨハネス（オーストリア）は、250年以上の歴史ある蔵元を引き継ぎ、弟ミヒャエル（スロヴェニア）は、伝統を大切にしながらも、その枠にとらわれない自由な発想で新しい事にチャレンジする造りをしています。このワインは弟ミヒャエルの自由な発想から生み出されたワインです。

旨味、ミネラル、酸のバランスが良く、しっとりとしたタンニンも

グラスに注いだ瞬間から、ふわっと溢れるトロピカルフルーツやアールグレイの華やかなアロマ。味わいは対照的で超ドライです。飲みやすさを全面にだしながら溢れるばかりの果実の美味しさと、ワインとしての本質的な美味しさをしっかりと感じられるワインです。10.5%と低いアルコール度数ながら、旨味、ミネラル、酸のバランスが良く、しっとりとしたタンニンが絡み合います。思わず体が欲するようなスルスル飲める旨み溢れるワインです。

グロース家はシュタイヤーマルク州のラッチュ アン デア ヴァインシュトラーセで1750年からワイン造りを行う歴史あるファミリー。10年前から兄のヨハネスがオーストリアを、弟のミヒャエルがスロヴェニアのワイナリーを受け持っています。

兄のヨハネス（オーストリア）は250年以上の歴史ある蔵元を引き継ぎ、生物多様性、サステイナビリティ、景観、そして伝統を守る造りをしています。オーストリア随一と称される醸造学校クロスターノイブルグ校を卒業。話す時に土を触り、ぶどうに触れ、農園の自然を慈しんでいます。弟のミヒャエル（スロヴェニア）は、伝統を大切にしながらも、その枠にとらわれない自由な発想で新しい事にチャレンジする造りをしています。

ラッチュ周辺は丘が入り組んだ多様な地形で、マール（泥灰土）を主体に石灰岩や砂岩、粘土土壌や酸化鉄、二酸化マンガンなど、多様性に富み複雑です。堆積土壌で1500万年前の海底が隆起した土壌。貝の化石がくっついた石灰岩が出る畑もあります。ヨハネスの祖父の代には、必要に応じて化学肥料を使ってきたが彼の代から自家性肥料に戻しました。2年かけて熟成、牛の糞以外は全て自園のものです。その肥料でさえ、植樹後2年間続けてごくわずかに使用するのみで、それ以外は葉の色を見て必要に応じてスポット使用。また、除草剤、殺虫剤、化学肥料に頼らず生物多様性を高めることで質の良いぶどうを育てることを目指しています。

ワイン造りのほとんど全ては畑。そんな畑仕事もほぼ手作業。テラス状や急斜面の畑のため機械化が難しく、20人の従業員のうち17人は畑での作業に従事しています。ワイン販売の半分はワイナリーに買いにきてくれる地域密着型。自分たちの哲学、ワイン造りの説明をし、納得して買ってくれるので、認証業者にお金を払う意味が見出せず、認証こそ取っていませんが正真正銘BIOでワインを造っています。