1893年創設、アルトアディジェに拠点を構えるイタリア最古の協同組合「テルラーノ」。彼らの最上級ソーヴィニョン「クオルツ」です。パパイヤやライムのフルーツが香る華やかなアロマ。レモングラスとミントハーブのヒントもあります。味わいはフルーティーな風味と繊細なミネラルノートが競演し、余韻までしっかりと持続します。

セレクションライン

アルト アディジェ初のソーヴィニヨン100％白

2025年11月、ジュリア スプリングス氏にお話を聞きました。

「テルラーノがソーヴィニヨン100％を造り始めたのは1956年です。アルト アディジェでは間違いなく初、イタリアでも恐らく初だと思います。長年醸造家として活躍したセバスチャンが、ピノビアンコ同様に品質を求めた1本です。赤ワイン同様に高めの温度で発酵させ、古い樹齢のブドウを使うことで複雑味と広がりを引き出しています。そして、アロマティック酵母を使用しないことでエレガントさとストラクチャーを表現しています。」

2025年11月に2023ヴィンテージを試飲しました。黄金色。白い花やミネラル、レモンなどの柑橘が重なるフレッシュでフルーティな香り。香りと一致した味わいで、フレッシュで鋭い酸があり、ジューシーな果実感に満たされます。

水晶を含む石英斑岩土壌に育つ古樹ソーヴィニョン

ワイン名のクオルツは「水晶」の意味で、その名の通り、水晶を持つ石英斑岩土壌の区画から造られます。トレンティーノ アルト アディジェ州の中でも、火山によって押し上げられたことで形成された「石英斑岩」を有するのは、ごく僅かな土地にとどまります。世界でたった180haしかない比類なき「ミネラル テロワール」は、土壌中のケイ素（水晶）がワインに独特のミネラルを与え、長期熟成が可能な偉大なワインへと変貌させます。選び抜かれた古樹から造られるテルラーノのフラッグシップ「セレクションシリーズ」です。

世界遺産ドロミテを形成する、ドロマイト土壌から生まれる華やかなアロマ

何万年も前、テルラーノがあるエリアは海でした。それが隆起してできた土地です。土壌はドロマイト質で、化石が多く含まれる石灰質土壌です。ドロマイトとはドロミテを形成する独特の土質のことです。非常に痩せた土地では、自然に収量が落ちて、凝縮した力を秘めたブドウが造り出され、華やかなアロマのワインが生み出されます。

ワインガイド評価

『ジェームズサックリング』95点（2023ヴィンテージ）

抑制されたミネラル感。セージとグーズベリーを基調に、レモンの果肉を思わせる香りと味わい。中程度のボディは活き活きとした爽やかさがありながら、程よい重みでバランスが取れている。洗練された余韻。すぐに飲んでも、熟成させても良い。（2025年5月）

1893年創設の協同組合

ミネラルあふれる長期熟成型のイタリア最高峰白ワインの造り手

アルプス山脈の麓、オーストリアに隣接するトレンティーノ・アルトアディジェ州。その中心都市、ボルツァーノにほど近いテルラーノ村に拠点を構える協同組合がテルラーノです。この高品質な白ワインの産地として名高い町で、1893年に24軒の栽培農家から設立された歴史と伝統を持っています。現在では、ミネラルあふれる長期熟成型のイタリア最高峰白ワインの造り手として知られています。

テルラーノは100年を超える歳月の中で、テルラーノエリアの優良な区画を持つ栽培家のみをパートナーとして迎え入れてきました。現在は高品質ワインに対して情熱を燃やす若手醸造家のルーディ・コフラー氏を中心に運営されています。

畑は、アディジェ川を望むアルプス山脈に囲まれた斜面（標高250～900m）に広がり、川と山脈に挟まれた個性的なミクロクリマと斜面によって水捌けの良い土壌を有しています。そんなテロワールからは、芳醇な果実味とミネラル溢れる複雑で深遠かつ長命なワインを生み出します。