名門アンティノリ家が手掛けるボルゲリのワイナリー「グアド アル タッソ」のトップキュヴェ、グアド アル タッソ

グアド アル タッソは、イタリアワインの偉大な名門アンティノリが、スーパータスカンの聖地ボルゲリで手掛けるワイナリー。良質なブドウだけをブレンドして造られるフラッグシップワインです。果実味と酸、タンニンの完璧なバランスで、どこか地中海の開放的な雰囲気が感じられる、長期熟成に適した珠玉の1本です。『ワインアドヴォケイト』で96点、『ジェームズサックリング』で95点を獲得しています！（2020ヴィンテージ）

ボルドーワインに見られるようなエレガントさを追求

2019年9月、アンティノリ社のフィリッポ プルシ氏にお話を聞きました。

「アンティノリ家が造る最も重要なボルゲリワインです。年産約12万本で2007年以降、シラー種の割合を減らして、よりエレガントなスタイルを目指す為にカベルネフランの比率を挙げるようにしています。つまりカルフォルニアワイン的なリッチさではなく、ボルドーワインに見られるようなエレガントさを追求しています」

世界のワイン愛好家から注目を集めるスーパートスカン「グアド アル タッソ」

グアド アル タッソは、リリース以来たゆまぬ努力を続け、2008年ヴィンテージにおいて『ワインエンスージアスト』2012年 セラーセレクション「長期熟成に適したワイン」にて、見事世界第1位に輝きました。ボルゲリのテロワールを理解し、その土地の味わいを最大限表現しているグアド アル タッソ。ボルドー品種を使用し、ティニャネロやソライアとは全く異なる素晴らしい個性を持った「新しいトスカーナスタイル」のワインは、世界のワイン愛好家から注目を集めるスーパートスカンの一つとして名声を博しています。

ブドウは全て手摘みで収穫され、少量ずつ梱包された後セラーに運びます。手作業にて2度除梗、厳選された完熟した粒だけを使用しています。発酵は25度～30度に設定されたステンレススチールタンクを使用し、畑の区画ごとに実施します。その後は15日間～20日間のマセラシオン、またそれぞれの畑の特徴を活かすべく、ポンピングオーバーをして成分の抽出します。小さなオーク樽に入れて、マロラティック発酵を行います。さらに18ヵ月もの熟成を経て、最良の出来のワインが入った樽のみを選びブレンド。瓶詰め後さらにセラーで10ヵ月間熟成させて、ようやくリリースされます。

ワインガイド評価

『ワインアドヴォケイト』96点（2020ヴィンテージ）

「グアド アル タッソ2020は、このヴィンテージではカベルネ フランがブレンドの30％以上を占め、残りはカベルネ ソーヴィニヨン、メルロが15％から20％を占める。マタロッキオ(カベルネフラン100%のキュヴェ)はこの年生産されなかったので、このワインは余分なカベルネ フランの恩恵を受けた。グアド アル タッソの2019年と2021年のヴィンテージはかなり濃縮されたリッチな味わいだが、2020年は2010年に造られたものと同じようなテクスチャーだ。代表取締役のレンツォ コタレッラは、2020年を暑いヴィンテージとは表現しない、と言う。トスカーナ沿岸部のボルゲリでは、他のアペラシオンよりも芽吹きが早く、その結果栽培期間が長くなる。これはここで使用される国際品種にとってメリット。ワインは素晴らしい豊かさと力強さを示す。カベルネ フランは確実に存在感を示し、この品種の特徴である垂直的なリフトと直線性を加える。黒い果実、スパイス、白胡椒が感じられ、苦い茎や棘は感じない。甘く、ほとんどミルキーなタンニンがフレッシュな酸と絡み合い、このワインに熟成のポテンシャルを与える。このヴィンテージでは新樽は少し抑えられている。飲み頃2025-2045年（2023年6月）

『ジェームズサックリング』95点（2020ヴィンテージ）

ブラックオリーブ、ベリー類、ハーブ、小豆、サワーチェリー、セージのアロマがフルボディに続き、噛み応えのあるタンニンと十分な骨格を持つ。風味豊かで力強い。まとまるには時間が必要。2027年以降がベスト。（2023年7月）

サッシカイアと血縁関係にある名門アンティノリ家

1385年にワインビジネスをスタートさせたアンティノリ家。サッシカイア一族とは血縁関係にあり、当初はサッシカイヤのワインメイキングにも携わっていた歴史を持ちます。1970年代に「ティニャネロ」「ソライア」といった世界的に有名なスーパータスカンを生みだし、トスカーナワインの品質向上を牽引していきました。1928年に造られたヴィラ アンティノリの現当主は26代目となるピエロ アンティノリ侯爵。3人の娘たちと共に伝統を重んじ、革新し続けるワイナリーです。

アンティノリファミリーの本質ともいえるキャンティ クラシコ ブランド最高峰

アンティノリの魅力は何と言っても、イタリア各地に"その土地のスペシャリスト"と言うべき個性を備えた、素晴らしいワイナリーを数多く所有していることです。代表的なワイナリーとして、キャンティ・クラシコに３つのエステートを所有しており、フラッグシップのワインを生みだすテヌータ ティニャネロ、キャンティ クラシコのペポリ、キャンティクラシコ レゼルヴァのバディア ア パッシニャーノです。

アンティノリファミリーの本質とも言えるキャンティ・クラシコのシリーズ最高峰に君臨するのが、このバディアア パッシニャーノです。バディア ア パッシニャーノはティニャネロ、ソライアを造っているテヌータ ティニャネロから南へ3kmのところにあり、ピエロ氏がサンジョヴェーゼ100％にこだわり、最高峰のキャンティ クラシコが造られています。

サンジョヴェーゼのピュアな魅力を最大限引き出したアンティノリ渾身のキャンティ クラシコ

使用するブドウはすべてトップクラス、サンジョヴェーゼの純粋でピュアな魅力を最大限に引き出すため、フレンチオークの比率をおさえた渾身のキャンティ クラシコです。2008年のこちらは、甘く熟したサクランボ、花、タバコやミントの複雑で美しい香り。外観によらずミディアムボディであり、素晴らしいバランスと深さを持ち合わせています。最初から最後まで強いエネルギーを備え、フィニッシュにはリコリスとスパイスのニュアンスが重なり合い、長い余韻へと導きます。

こちらのバディア ア パッシニャーノは過去2、3年の間、アンティノリのラインナップで最も改良されたワインと言われ、その証拠に2015年のオペラワイン(国際的なワイン見本市ヴィニタリーに合わせて開催される、イタリアTOP100生産者が集うイベント)にも、アンティノリを代表するワインとして、出品されました。