キアラモンテ・グルフィの平野で造られるシャルドネと土着品種カリカンテのブレンド白

世界中で評価がますます高まっているグルフィ。96年の設立当初から素晴らしいワインを造り続けています。「ヴァルカンツィリア」に使うブドウはキアラモンテ・グルフィの「ヴィーニャ ムティ」という畑でシャルドネが60%、カリカンテが40％の比率で栽培され、それぞれ別々に収穫されます。仕立てはブルゴーニュスタイルで、1ブドウの樹1本ずつの個性に合わせて仕立てています。石灰質と粘土質の土壌でしっかりしたミネラルが生まれます。

標高700m級の高地で造る酸のしっかりした白ブドウを栽培

2018年10月、イタリアワイン最強ガイドの著者で、グルフィを日本に紹介した川頭義之氏にお話を聞きました。

「キアラモンテ産のシャルドネ、カリカンテのブレンドです。500～700mと高い標高に畑があり、酸がしっかりした白ブドウができます。ブレンド比率はその年の出来によって変えています。2015ヴィンテージからは更に進化した印象がありますね。ヴァルカンツィリアは1万本造っています。醸造設備においてもシチリアでの最大級の広さを誇り、また最新の設備が取り揃えてられています。ワイン造りは本当にレベルが高いと思います。グルフィのワインにヴィンテージによる出来不出来がそれほど強く感じられないのも、テロワール、醸造設備の良さが影響しているのかと思います。」と話してくれました。

内陸にあるキアラモンテ・グルフィと海側のパッキーノの２つのエリア

グルフィのブドウ畑は、内陸にあるキアラモンテ・グルフィと海側のパッキーノの２つのエリアに分かれます。キアラモンテ・グルフィでは「ヴィーニャ ムティ」「ヴィーニャ コステ」「ヴィーニャ カンポ」の3つの畑を持ち、「ヴァルカンツィリア」に使われるブドウは「ヴィーニャ ムティ」で栽培されています。

和食とも相性抜群！フレッシュな酸とミネラルの優れたバランス

若いヴィンテージでもしっかりと深み、ミネラルを感じます。ナッツやレモンなどのアロマも感じられる柔らかい口当たりとスッキリした味わいの中にミネラルや柑橘系果実の伸びやかな酸が感じられます。カプレーゼなどのフレッシュな前菜、白身魚のソテーや、天ぷらなどの和食とも相性が良いでしょう。

「グルフィ」は、設立が2000年とまだ間もない新進気鋭の生産者ですが、今やシチリアを代表する造り手として内外から熱い注目を集めています。ブルゴーニュワインをこよなく愛するオーナーのヴィト・カターニャ氏がシチリアの土地とブルゴーニュの土地が似ていることに気づき、ブルゴーニュのワイン造り、フランス的なクリュの概念が取り入れられ、量ではなく品質にこだわったワイン造りが行います。彼のワインはブドウ本来の生命力、そして各畑のテロワールを強く感じることが出来ます。

オーナーのヴィト・カターニャ氏は、シチリア生まれのパリ育ち。ブルゴーニュワインをこよなく愛するカターニャ氏ですが、もともと自身でワイン造りをしようという考えは無く、フェラーリＦ１の特殊油脂を製造する事業を行っていました。彼がまず思い立ったのは、イタリア最高といわれる「キアラモンテ・グルフィ」地域でのオリーブオイル造り。しかし、いくつもの“運命的な”出会いを重ね「ネロ・ダーヴォラ」という品種とシチリアのテロワールのもとでのワイン造りに大いなる可能性を見出していきました。

ヴィト氏が何よりもこだわる「ネロ・ダーヴォラ」という品種と「シチリアのテロワール」。グルフィが限定生産で造る4つのクリュワインはどれも「100％ネロ・ダーヴォラ」から造られたもの。にもかかわらず、それぞれのワインがはっきりとした個性を放っているのはテロワールの違いに合わせてしっかりと性格づけをしているから。ブルゴーニュを想わせるようなエレガントな口当たり、繊細なアロマ、そして土壌の性格がストレートに表現されたワイン造りを信念としています。

こだわりのエチケット

ワイン名にはすべてクリュの名前が入っています。

土着品種である「ネロダーヴォラ」のneroとクリュ名を合わせて商品名となっています。

よりクリュが目立つようにとneroの文字は小さく書かれています。

全てのワインのラベルには、美しい男女の絵がモチーフとして描かれています。

オーナーの故カターニャ氏がシチリアを代表する美しい文化を好み、シチリアで世界遺産に登録されている

ピアッツァ・アルメリーナ（Piazza Armerina）のモザイク画を自社ワインのラベルデザインにしました。

女性は「美の神、プシュケ」であり、男性は「愛の神、エロース」です。