ウンブリア州トーディの飲み心地の良さを表現するオーガニックワイナリー「ロッカ フィオーレ」。ラルトロ ビアンコは「もう一つの白」という意味を持ち、もう一つの白品種トレッビアーノ スポレティーノで造られています。白い花や熟した果実の香り、フレッシュで酸味豊かな味わいです。

果実味豊で深みのある味わい

アンフォラ熟成のトレッビアーノ スポレティーノ

2025年10月、2代目当主ルカ バッカレッリ氏にお話を聞きました。

「ラルトロ ビアンコ、もう一つの白という意味です。ウンブリア州でもう一つの白ブドウといえば、トレッビアーノ スポレティーノです。ルガーナやアブルッツォにあるものとは全く個性の異なる品種です。深みがあり、余韻も長く、ストラクチャーや酸も備えていて、複雑な味わいです。樹齢はまだ若いのに、すでに個性がはっきりしていて、長期熟成のポテンシャルがあると考えています。2016年から畑を造り、2020年がファーストヴィンテージ。1年間、アンフォラで熟成します。樽ほどではないけれど、ステンレスでは絶対に得られないニュアンスを与えてくれるアンフォラを使用しています。合わせる料理としてはアペリティフ系でも十分に使えますし、より複雑な料理にも合います。特に先日食べたとんかつは、非常に相性が良いと思いました。」

2025年10月に2023ヴィンテージを試飲しました。深みのある黄金色。アプリコットや黄色い果実の濃密かつエレガントな香り。完熟果実の丸みと豊かな果実味が広がり、深みと柔らかさが見事に調和しています。後味にはほのかな苦味と軽やかな余韻が続きます。

ブドウは有機のトレッビアーノ スポレティーノ種を使用。北東向きで白粘土、石灰岩、白亜質土壌の単一畑。栽植密度は1ヘクタールあたり6,500株、ギュイヨ仕立てで育てられています。9月最終週に手摘みで収穫されたブドウは、除梗され、ソフトに圧搾。マストは12-24時間で自然に澱引き。野生酵母を使い320リットルのアンフォラで発酵。アンフォラで12ヶ月間上質な澱と接触させています。瓶詰め後、最低6ヶ月瓶熟成させてから出荷しています。

「世界一住みやすい街」トーディで取り組む有機栽培

「世界一住みやすい街」と評されるウンブリア州トーディに拠点を置くロッカフィオーレ。トーディ出身のレオナルド バッカレッリ氏が同地区に残る古い畑を購入し1999年に創業しました。ファーストヴィンテージは2005年。小規模な家族経営ワイナリーとして、現在はその息子ルカ氏が2代目として活躍しています。自然に囲まれた土地で、有機栽培を取り入れたワイン造りを行っています。

テルラーノで研鑽を積んだアルトマン ドナ氏を招聘

創業当初、エレガントでモダンなワイン造りを目指すバッカレッリ氏が惚れ込んだアルト アディジェ出身のアルトマン ドナ氏が醸造家に就任（1994～2002年までテルラーノ社にて従事）。ウンブリアの土着品種と醸造伝統に北イタリアで培った経験と技術を吹き込み、このトーディの地で清らかで瑞々しく繊細な味わいのワインを造り出すことに実現しました。

この地区にしか根付かないグレケットディトーディ種

ロッカフィオーレが栽培するグレケット ディ トーディ種は、G5と名付けられたトーディ独自のクローン。一般的なグレケットとは異なりしっかりとした骨格を持ち、単一品種でも十分に個性を発揮できる品種です。

『ガンベロロッソ』最高賞＆イタリア最優秀エコワイナリー賞をダブル受賞

『ガンベロロッソ』2017において、フィオルフィオーレ2014が最高賞トレビッキエリ、『イタリア最優秀エコワイナリー賞』の2つの賞を受賞。コストパフォーマンスの優れたワインに贈られる『ベーレベーネ』2017では、ロッソ メログラーノ2014が見事選出。情熱的で献身的なワイン造りに取り組む彼らは、尋ねる者を気さくにブドウ畑へ案内してくれます。そこで目にする手入れの行き届いた美しい畑からも、ロッカフィオーレのワインの混じり気のない純粋さが見てとれます。