1961年創業のポリッツィアーノ社

ポリッツィアーノ社の創業は1961年でディーノ カルレッティ氏が22ヘクタールの土地をトスカーナ、シエナにあるモンテプルチアーノ村に購入しブドウ栽培を始めました。名であるポリツィアーノとは、「モンテプルチアーノに住む人」を意味します。と同時に、モンテプルチアーノゆかりの詩人アンジェロ アブロジーニの愛称でもあります。アブロジーニは15世紀後半に活躍し、メディチ家の家庭教師も務めていたとされ、モンテプルチアーノの歴史を語る上で欠かすことのできない偉人です。

ポリッツィアーノのワインラベルに描かれている肖像画はアブロジーニそのもので、記載された1454～1494とは彼が生きた年号です。

ヴィーノ ノービレ ディ　モンテプルチアーノ協会の会長を務める2代目フェデリコ氏

1978年になると、フィレンツェで農学を修め、北イタリアのワイン産地で修業を積んだ息子のフェデリコ カルレッティ氏が2代目オーナーに就任し、品質向上のためにあらゆる可能性に取り組んでいます。フェデリコ氏は最高のぶどうを収穫するために、土壌やミクロクリマの探求、クローンの厳選、最適な植樹のレイアウト、剪定方法等、あらゆる角度から畑を研究し、醸造に関しては伝統の技に敬意を払いながらも最新技術も積極的に取り入れています。現在のぶどう畑の面積は125ヘクタールで年間70～80万本のワインを生産しています。ちなみにフェデリコ氏は、ヴィーノ ノービレ ディ　モンテプルチアーノ協会の会長も務め、モンテプルチアーノのワイン業界全体の発展にも大きく寄与しています。

「ルネッサンスの真珠」と呼ばれる美しきモンテプルチアーノ村

ポリツィアーノ社があるモンテプルチアーノ村は、イタリア中部トスカーナ州のシエナ県に属しています。州都であるフィレンツェから南東に125キロほどの場所にあり、小高い丘の上に16世紀そのままの石造りの街があります。街はその美しさから「ルネッサンスの真珠」と呼ばれているほどです。その街を取り囲むようにして、周囲には延々とぶどう畑が広がっています。

「モンテプルチャーノはあらゆるワインの王である」

気候はイタリア中部に典型的な内陸性気候。日中は暑く、夜になると驚くほど涼しくなります。また非常に乾燥しているのも特長です。昼夜の寒暖差はぶどうに果実味と適度な酸味を与え、乾燥した気候はぶどうを病害から守ります。そうした気候条件から、モンテプルチャーノ村ではローマ時代よりワイン造りが行われ、17世紀の詩人フランチェスコ レディは「モンテプルチャーノはあらゆるワインの王である」と記しました。

イタリア最初のDOCGに選ばれる

その後18世紀末になると、モンテプルチャーノのワインは「ヴィーノ　ノビレ（高貴なるワイン）」と呼ばれるようになりました。1980年にはイタリアのワイン格付けDOCGに最初に認定され、今では格付けワインの名称のひとつとして知れ渡っています。サンジョベーゼの一種であるプルニョロ ジェンティーレというブドウ品種を使用しています。