ブルーノジャコーザの唯一無二の細やかさが表現されたバルベーラ ダルバ

「バローロのロマネコンティ」「イタリア5大シャトーの1柱」と称えられるバルバレスコの2大巨頭のひとり、ブルーノジャコーザが造る美しいバルベーラです。鮮やかな赤みを帯びており。完熟したカシスやチェリーの果実の香り、チョコレートや珈琲のニュアンスもあります。タンニンは細かく滑らかで、旨みたっぷりの果実の風味と酸とのバランスが素晴らしい赤ワインです。

2022年8月、ブルーノ ジャコーザを日本に紹介した林 達史さんにお話を聞きました！

天候に左右されずに飛び抜けたバランスを表現するのがブルーノ ジャコーザの偉大さ

「このバルベーラは、バローロ、バルバレスコと同じ1万1000リットルの樽で長期熟成しています。1万1000リットルと言われると、想像しにくいかもしれないですが、みなさんが手を伸ばしても樽の一番上には届かないくらいの大きさです。2020年ヴィンテージに関しては、全体的に降雨が若干少なかったですが、わりと適材適所に雨が降ってくれたので水不足にはなりませんでした。5月、6月に湿度が高かったこともあり、この畑は影響を受けませんでしたが、ベト病が発生した年でもあります。非常にバルベーラの特徴が出ていますし、唯一無二のジャコーザさんの細かさ、粗さのないバルベーラが表現されていると思います。

毎年、生産本数は2万5000本前後です。ジャコーザさんのワイン全てに共通して言えることは優れたバランスです。どんなに暑かろうが涼しかろうが、バランスよいワインが造られます。最終的にバランスよく綺麗に熟成させていく、という話を彼はよくしていました。10年、15年熟成させたネッビオーロダルバ、バルベーラ ダルバを飲ませていただきましたが、本当に美味しいです。バルベーラは長期熟成の品種ではなく通常なら3年以内に消費する形ですが、彼らは想定する熟成のラインが他社より長いんです。非常にバランスよく成熟、熟成するのが彼のワインの特徴です」

2022年8月にバルベーラ ダルバ2020ヴィンテージを試飲しました。ルビー色。潰した花、あらゆる色の果実を感じる複雑さがある香り。口に含むと、その多種多様な果実の一粒一粒を感じられるほどのレイヤー、きめ細やかがあります。優れたバランス感と非常に長い余韻も特徴で、充実感に溢れるバルベーラです。

ステンレスタンクを使用、香りを活かすため25～26度で醗酵、8～10日間のマセラシオンを施します。ステンレスタンクで短期間熟成後、オーク樽で12～14か月熟成させます。その際使用するのは1万1000リットルの樽。その後ステンレスタンクで清澄、ボトリングを行います。

ピエモンテ・ランゲ地区で3世代にわたりワインに携わってきたブルーノ ジャコーザ。

三代目となるブルーノ氏は1929年生まれで、13歳から祖父のカルロ氏の指導の下でワイン造りに携わり始めました。その後、自分の名前を冠したブランド「ブルーノ ジャコーザ」を1961年にファーストヴィンテージとしてリリースしました。

今では半世紀以上に渡りワイン造りへその人生を捧げ、ランゲ地区の畑については誰よりも知り尽くしていると言っても過言ではありません。

畑と醸造におけるピエモンテの伝統に敬意を払い、単純にして明瞭な哲学の下に造られるワインは一貫したスタイルを持っています。確固たるスタイルを持ったワインは世代を超えて、時に「バローロのロマネ コンティ」と称賛され、世界中からイタリアを代表する偉大なワイナリーとして認知されています。

ワインスペクテイターでは過去に90点以上を50回、うち100点を1回獲得。ワインアドヴォケイトでは90点以上を97回、うち98点を6回、99点を2回獲得しており、常にトップの座に君臨しています。ガンベロロッソでは過去に最高評価の3グラスを13回獲得。2010年度には「最優秀ワイナリー」にも選出されています。

※ブルーノジャコーザには自社畑のブドウだけで造る「ファッレット ディ ブルーノ ジャコーザ」と、購入したブドウから造る「ブルーノ ジャコーザ」という2つのブランドがあります。