ボルゲリ最南端＆最高標高に位置し、オルネッライアやサッシカイアと肩を並べる造り手「アルジェンティエラ」。ワイナリーの名を冠した上級キュヴェです。標高200mの畑から造られる、魅力的なストラクチャーを持ちリッチでシルキーな味わいのワインです。

ワイナリーの名を冠した上級キュヴェ！

複雑なテロワールが織りなす力強さとクリーンネスの調和

2024年10月にアルジェンティエラ社マッシモ バジーレ氏にお話を聞きました。

「アルジェンティエラは、リッチで複雑な味わいで長期熟成力を持つワインです。ドノラティコのバルサミコ香に加え、濃厚なコーヒーやメンソールの香りも感じられる深みのある味わいです。酸とタンニンのバランスも優れ、ストレートで洗練されたタンニンが長期熟成を可能にする重要な要素となっています。アルジェンティエラは区画ごとに細かく収穫・醸造し、完璧にテロワールを表現しています。森に近いエリアからはバルサミコの香りが、海に近いエリアからはフルーツ感が際立ち、グラスを通じてその土地の特徴を感じることができます。15年かけて、ようやくお客様から"シャープで引き締まった洗練されたボルゲリワイン”と評価されるようになりました」

高い標高、36種の土壌、斜面が細かく絡み合う畑

アルジェンティエラの畑は、他の生産者から羨ましがられる非常にユニークな場所にあります。標高が高く、あらゆる向きの斜面を含む複雑な地形です。何よりも36種類もの土壌が細かく絡み合っていることが大きな特徴です。以前から細かく区画を分けて収穫していましたが、「もっと細かく知りたい」という醸造家の要望で60箇所もの土壌研究でさらに細分化されました。こうした土壌や地形の複雑さに加え、森や海に近い影響もあり、複雑性を極めたワインが生まれます。

ワインガイド評価

『ジェームズサックリング』97点（2021ヴィンテージ）

ラズベリー、ブラックカラント、スミレ、ラベンダーの美しくフレッシュな若いワイン。ミネラリー。以前よりも青い果実味が増している。タンニンは美しいハーモニーと正確さを示す。エネルギーに満ちた縦型。2029年以降に飲もう。（2023年7月）

『ワインアドヴォケイト』95+点（2021ヴィンテージ）

ボルゲリ・スーペリオーレ・アルジェンティエラの2021年（メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランのブレンド）は、かなり濃厚でリッチで、このヴィンテージの大胆な力強さを端的に示している。このワインは私の好みには抽出が強すぎるように感じられ、同時に試飲した2022年の薄いヴィンテージと比べると、リッチさにおいてかなりステップアップしている。ブーケはブラックベリーのリキュールとシロップ漬けのブラックチェリーにスパイシーなニュアンス。タンニンは大部分で肉付きが良く、苦味はまだ落ち着く必要がある。2022年はより薄く飲みやすいが、この2021年はさらに数年の瓶熟成が必要だ。飲み頃2026-2040年（2025年2月）

アルジェンティエラは、アパレルやホテル事業で成功を収めたフィンゲン・グループのオーナー、フラティニ氏とマルケージ・アンティノリの共同出資によって2000年に設立されました。ボルゲリ地区の最南端に位置し、最も海に近く、他のカンティーナと比べて標高の高い位置にあるという、ボルゲリの中でも固有の環境を持ちます。

醸造家はフェデリコ・ジレッリ氏。メディチ家の末裔である彼は、早くよりワイン造りに従事し、彼の母親が所有するカステロ・ディ・ボルゲリにも責任者として携わっています。また、ヴァランドローやパヴィ・マカンなどボルドー右岸を再興したフランス人、ステファン・ドゥルノンクール氏がコンサルタントを務めています。

標高約50m程度の平地が一般的なDOCボルゲリの中で、最も南に位置する森に囲まれたアルジェンティエラの畑は、地中海を望む標高150～200mの丘にあり、南から南西に広がる約80haを所有しています。長年の地質調査の結果選ばれたこの畑に、昼夜、地中海から吹き込む穏やかな風は、健全なブドウを育て、フィネスのあるワインを造ります。

そして、有機成分を多く含む石灰質、粘土質、泥灰質などの複雑な構成になっている土壌が、ワインにも一層の複雑味を与えます。森に囲まれたこの畑は、自然な温度調節、豊かな日照量、適度な降水量など、素晴らしく恵まれた環境です。フラッグシップワインの「アルジェンティエーラ ボルゲリ スペリオーレ2004」が、リリース2年目にしてトレビッキエリを獲得するなど、最も注目すべきカンティーナです。