1800年代から続くカルレッティ家が手がける、DOCGフラスカーティ スペリオーレの造り手「カサーレ マルケーゼ」。彼らがマルヴァジア デル ラツィオとシャルドネで造る白ワイン「クレメンス」です。パイナップルやメロンを思わせる豊かでエキゾティックなアロマは、非常にクリーンでエレガント。口に含むと最初に柑橘系の果実が感じられ、その後からトロピカルフルーツの要素が出てきます。非常にバランスのとれた、しっかりとしたボディを感じる味わいです。

「クレメンス」はカルレッティ一族の一人でローマ カトリック教会の枢機卿だったクレメンテ ミカラ氏に捧げるワインです。畑の土壌は火山性、ブドウの仕立てはコルドン、栽植密度は4000本/haです。収穫は100％手摘みで行います。ブドウが傷つかないよう15kgのケースを使用。収穫したブドウは空気圧プレスで柔らかく圧搾し、澱引きした後、温度管理したステンレスタンクで約1週間発酵させます。熟成もステンレスタンクで綺麗な澱と共に4ヶ月行います。翌年の5月にボトリングを行い、数か月の瓶熟を経て11月にリリースします。

カサーレ マルケーゼはDOCGフラスカーティ スペリオーレのエリアの中心に位置しています。ワイナリーは、古代ローマのラビカナ街道上にある、古代ローマ時代に造られた遺跡（地下貯水槽）の上に建てられています。その歴史は古く、中世の時代、1301年ボニファティウス8世の勅書にこの場所がアニバルディ家の領地の一部であるという記録が残されています。またルネサンス時代には、著名な音楽家であったエミリオ デ カヴァリエーリ侯爵（Marchese Emilio de’Cavalieri：1550-1602）の邸宅でした。

「カサーレ マルケ―ゼ（侯爵の農園）」というワイナリー名はこの史実にちなんでいます。1800年代に現在のオーナーの一族であるカルレッティ家の所有となりました。現在は7代目に当たる兄のアレッサンドロ（左）と末の弟のフェルディナンド（右）がワイン造りを引き継いでいます。アレッサンドロは経営を、フェルディナンドは栽培を担当しています。

醸造、ボトリング、梱包まですべて自社のセラーで行っています。畑面積は50ha、ブドウ畑が38ha、残りは樹齢の古いオリーブ畑となっており、ワイナリーはブドウ畑に囲まれています。この環境により、収穫したブドウをすぐにワイナリーに運び込むことができます。畑には除草剤、殺虫剤は使用していません。ブドウの仕立ては大部分がコルドンです。栽植密度は1ヘクタール当たり4,000～5,000本です。短梢剪定のコルドンでは、1本当たりの房の数は少なくなりますが、全体的により良い品質のブドウが得られると考えています。ブドウ品種、熟度に合わせて最適なタイミングで収穫が出来るよう100％手摘みで行っています。

収穫したブドウは空気圧プレスで優しく圧搾します。こうすることでブドウのアロマを失わないようにしています。白ワインは酸とフレッシュさを保つためマロラクティック発酵は行わず、樽も使用しません。セラーはいくつかの階に分かれており、上階は赤ワインの醸造、１階は白ワインの醸造に使用しています。また、18世紀に造られた美しい樽セラーは、現在も赤ワインの樽熟成に使用しています。