サレント半島と丘陵地ボッカ ディ ルーポに土地を所有し、「海」と「丘」のプーリアの多様性を体現する造り手トルマレスカ。彼らが、カステル デル モンテ地区のボッカ ディ ルーポで造る赤ワイン「ロコーネ」です。使用品種はカベルネ ソーヴィニヨン。ラズベリーやワイルドベリー、カシスなどの心地よい果実香に、ローズマリーやミントのフレッシュなニュアンス。ビターココアや甘草の魅力的なアロマが伴います。口当たりは柔らかく優美な印象で、非常に凝縮したフレッシュな味わい。包み込むようなタンニンが口中を満たし、バニラやラベンダーなどの風味を伴った余韻へと続いていきます。

果実の凝縮感が広がるフレッシュなカベルネ ソーヴィニヨン

2025年4月、マーケティング責任者ヴィト パルンボ氏にお話を聞きました。

「ロコーネは、アプローチしやすいスタイルのカベルネ ソーヴィニヨンです。黒い果実というよりも、フレッシュな赤い果実の香りが特徴で、カリカリしたニュアンスがあります。ワイン名は、実際にこの土地に存在する大きな湖の名前に由来しています。乾燥地ゆえに農業が難しく、水が非常に重要だったため名付けました。灌漑をしていることはワイン業界ではタブーかもしれませんが、水がなければ緑も育たない痩せた土地であるので、誇りを持って「ロコーネ」と名付けています。」

2024年4月にロコーネ2021ヴィンテージを試飲しました。深みのあるルビー色。豊かな果実とほのかな緑のニュアンス、黒胡椒の香りがあります。やや力強いアタックから、凝縮感のある果実味が広がります。しっかりしたタンニンも相まって、スパイス感と果実感が一体となって最後まで持続します。

名門アンティノリ家がプーリアで造るトップクオリティのワイン

トルマレスカの歴史は、1998年にトスカーナの名門アンティノリ家がワイン造りの可能性に満ちたプーリア州に土地を購入したことから始まります。アンティノリは1385年にトスカーナのフィレンツェでワインビジネスを始めたイタリアを代表する名門中の名門ワイナリーで、現在は26代目現当主、ピエロ・アンティノリ侯爵と3人の愛娘によってプーリア州トップクラスの素晴らしいワイン造りがなされています。

最上級のワインを造りだす可能性に満ちたプーリア州の魅力

ピエロ・アンティノリ侯爵はプーリア州の魅力について、「この地の太陽、土壌、大地、気候、恵み、歴史、文化、食事に可能性を感じただけでなく、この地にはたくさんのブドウ品種があり、 その数だけ挑戦できる。そして、プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、アリアニコなどそれぞれにおいて最上級のワインを造り出せる可能性がある」と語っています。

トスカーナとウンブリアで培った経験と技術を駆使した魅力的なワイン造り

アンティノリの名声を築いた彼らのフラッグシップワインとも言えるのが「ティニャネロ」と「ソライア」で、イタリアワインの歴史を変えたスーパータスカンの先駆けとして知られています。トルマレスカでは「エレガントでトップクオリティのプーリア産ワインを造り出す」という信念のもと、アンティノリがトスカーナとウンブリアで培った経験と技術を駆使し、土着品種を使った魅力的なワインが生産されています。

テロワールの異なる2つの畑を所有

トルマレスカの大きな特徴は、テロワールの特徴がまったく異なる3つの畑とエステートを所有していることです。カステル デル モンテに位置する海由来の土壌を持つボッカ ディ ルポ、アドリア海沿いに位置する粘土質の土壌のマッセリア マイメ、DOCマンドゥーリアにあるテヌータ カッルーボ。異なる3つのテロワールから、個性の異なるワインを展開しています。