ブノワ　ドロワンは、とてもエネルギッシュで、ボーヌの醸造学校で5年、ディジョン大学で2年、卒業後はラ　ロッシュとドーヴィサで研修しました。’99年にレ　クロを目の前にした新しいドメーヌになってから父ジャン　ポールと一緒に働き始めました。ブノワの考えでニューマティックワインプレスを導入してより果実味を生かし、畑の特徴をより引き出すために樽を使い過ぎない、典型的なニュージェネレーションスタイルとなっています。以前はフィルターをかけてすぐ瓶詰めしていましたが、現在は2ヶ月間休ませてから9月頃にすべてのランクを1回で瓶詰めするようにしました。他の生産者のように酒石をとるために0℃以下にするといった余計な刺激を与えることはせず、4～5℃で長時間置いてゆっくり取り除きます。

ブノワによるクリュの畑ごとの特徴は、

ヴォグロ ： 力強い　　　　　　 ヴァイヨン ： ミネラル+力強い モンマン ： ミネラルと力強さ、ヴァイヨンにリッチさが加わる

モンテ　ド　トネル ： ヴァイヨンと似ていて、ボディがある。より高いミネラルがある　　 モン　ド　ミリュ ： フローラル、ピーチ、梨

ブランショ ： フィネスとミネラル。　　　　 ヴァルミュール ： リッチでふくよかな果実味。 ヴォーデジール ： ミネラルと果実味、ヴァルミュールより繊細。

ブノワが求めるのは「ミネラル感とシレックスの風味が感じられるシャブリらしさのあるもの。それは世界のどこを探し手もシャブリにしかないものだから。」です。多くの評論家がこれらの変化を絶賛しています。

<歴史> 1698年からワイン造り

<オーナー> ブノワ　ドロワン　（14代目）　　ラ　ロッシュ、ドーヴィサで研修、‘99年からワイン造りに参加

<葡萄園面積> 26．5ha　　シャブリ　10ha、プルミエ　クリュ　11ha、グラン　クリュ　4ha、プティ　シャブリ1．5ha

<葡萄栽培> 除草剤等に化学薬品を使わず、草を生やすことで葡萄の根にストレスを与え生産量を減らし、特別オーガニックな肥料なども必要としなくする

<収穫> 気をつけているのは、糖度ではなく酸で、バランスを一番大切にしている

<特注タンク> 細部にわたって改良して造らせた特注のタンクは、発酵温度の変化に膨張によるワインの漏れや収縮によるワインの酸化を防ぎ、今では商品化されてボルドーやシャンパーニュでも使われ、見学者も訪れます

<納品先> 国内45％（通常20％以下）　国内での評価の高さがうかがえる

国内にある26の3ッ星レストランのうち、パリの「ル　プレ　カトラン」、「ル　ブリストル」などその約半数に卸している。

世界中のフォーシーズンズ　ホテルにも納品。

<樽> プレスした葡萄は、すぐ樽に入れて発酵、MLを行う。2年樽を使用。発酵後に入れると樽のいやな部分が目立つ。アリエ産、トロンセ産。

<評価> 「ブルゴーニュ　オジョルディ48」に『ヌーヴェル　ジェネレーション（新世代）』として写真入りで紹介

同じシャブリのピクも「今一番いい生産者はドロワンだろう」と言っている。

【VT】‘09年は酸が少なく、若飲みタイプ、’10年は酸が豊富で偉大な年

ブノワ　ドロワンによる近年のワインには、彼のさらなる技の熟達、新しいクリュを加えるなど飽くことのない探求心が表現されている。今や彼のワインは、シャブリの中で最も興味深いワインのひとつになった。また、とてつもなくリーズナブルであることは言うまでもない。ドロワンは自らの判断で、生産量の3分の1をフランス国内市場で販売している。これはシャブリでいえば比較的高い比率といえる。

デヴィット　シルドクネヒト　　「ワイン　アドヴォケイト179」