ラインヘッセン地方のマインツから南に約20km下ったユルヴェルスハイムに位置する若手生産者モーリッツ キッシンガーの「ゼロ オーム ヴァイス」です。ビオディナミ栽培で育てた、平均樹齢40年のヴァイスブルグンダー（ピノ ブラン）を主体にシャルドネを加えています。5区画のブドウを三期に分けて収穫、区画ごとに個別に自然発酵。古バリックで10ヶ月シュールリー後にアッサンブラージュしています。無清澄、無濾過でボトリング。レモンの皮やハーブの香り。フレッシュで生き生きとした酸味。黄色い柑橘系果実の風味、エレガントでジューシーな白ワインです。

9月初旬・中旬・下旬の三期に分けることで異なる熟度のブドウを手摘みで収穫

ブドウはビオディナミ栽培で育てた平均樹齢40年のヴァイスブルグンダー（ピノ ブラン）60%、シャルドネ40%を使用。畑は標高300ｍの東向きでシャルドネはライン川沿いの石灰質土壌、ヴァイスブルグンダーはウエルヴェルスハイムのロース/ローム土壌。9月初旬・中旬・下旬の三期に分けることで異なる熟度のブドウを手摘みで収穫しています。

5区画のブドウを区画別に自然発酵させて、最後にアッサンブラージュ

初旬に収穫した熟度が若干足りないブドウは軽く破砕し1日の低温マセレーション。熟度が足りてるブドウは全房プレス。3つ畑中の計5区画から収穫していますが、全て区画ごとに分けて自然発酵。古バリックで10ヶ月シュールリー後、澱引きしてアッサンブラージュ。その後ステンレスタンクで6週間静置。無清澄、無濾過でボトリングしています。SO2はトータル19mg/Lと微量。

まとまりがあり、朗らかなワイン

「０オーム白（0 Ohm Weiss）とリースリングは21年と比べ、最初からまとまりがあり、朗らかなワインです。あと２-３ヶ月もするとよりまとまりが出ると思います（2024年4月末日、インポーターのKlein aber Wein社コメントより）」

ラインヘッセン地方のマインツから南に約20km下ったユルヴェルスハイムに拠点を持つ若手の生産者モーリッツ キッシンガー。ラインヘッセンは緩やか丘陵地帯で、石灰とはじめ、多様な土壌をもつ広大なワイン産地です。代々ブドウ造りをしてきたキッシンガー家は1983年に元詰めを開始しました。モーリッツは4代目にあたり、父親から分けてもらった畑で独自のラインナップとなるワインを造っています。

モーリッツが自分のワインを初めて造ったのは2018年でした。ビオディナミの哲学やそこで提唱されている具体的な農法など、それまで醸造学校で学んだ内容とは全く異なる世界に触れた彼は、最初のビンテージを造る数年前から土壌の改良に着手しました。土壌の活性化に着手し始めた頃、その試みがどれほど意義があるものなのか不安もありましたが、年々生命力を増す畑を見ると、その道が正しいことが実感できたと語ります。

彼の畑は粘土が主なユルヴェルスハイムと石灰が主体のディーンハイムにあり、両者のブドウを掛け合わせることで、果実味とミネラルが掛け合わさったワインができます。ラインヘッセンの比較的冷涼な区画と、彼の畑の特性からモーリッツが栽培する品種はリースリング、シャルドネ、ピノ ブラン、ピノ ノワール、ソーヴィニヨン ブランとフランス系品種が占めています。

「良いワイン」について考えることを止めないモーリッツは実際にシャンパーニュ、ブルゴーニュ、ジュラに頻繁に足を運んでいます。そこで得たものをラインヘッセンに持ち帰り、実践に移すことで、周囲の若手生産者にも刺激を与える発信元にもなっています。謙虚な姿勢でワインを造り続ける彼のワインは毎年より一層楽しみになっています。