伝統派バローロの巨匠バルトロ マスカレッロで10年間右腕として働いたアラン マンリー氏が立ち上げた「マルゲリータ オット」のランゲ ネッビオーロがついに日本初入荷です！濃密なタンニンと果実の甘みが織りなすなめらかな味わいはいつまでも飲み続けたくなる感動的な美味しさです。

バルトロ マスカレッロで学んだ「アッセンブラッジョ」

マルゲリータ オットのワイン造りを特徴づけているのが「アッセンブラッジョ」。複数の畑のブドウで造るいわゆるクラシックバローロのスタイルですが、各畑ごとに醸造してから調整するブレンドするのではなく、最初からすべての畑のブドウを混ぜて発酵させるのが「アッセンブラッジョ」。現在このアッセンブラッジョのバローロだけを造っている生産者は2ワイナリーしかないそうです。

ルチアーノサンドローネ、エリオ アルターレ、カヴァロット、マリオ マレンゴなど、様々な造り手の元で収穫とワイン造りを経験したアラン氏ですが、自身のワイン造りに最も影響を与えたのが10年間マリア テレーザ女史の右腕として働いたバルトロ マスカレッロでした。バルトロ マスカレッロのスタイルと言えば全てのクリュを混醸するアッセンブラッジョであり長期マセラシオンと伝統的な大樽による熟成。アラン氏もこのスタイルを踏襲しています。

継ぎ目のない細かなタンニン、酸が支えるしなやかな印象

ブドウはジネストラ（モンフォルテ ダルバ）、セッラルンガ ダルバ、ヴィニャーネ（バローロ）、コステ ディ ローゼ（バローロ）の4つの区画と、30％は友人からの買いブドウを使用。グイヨ仕立てでアル カプレという伝統的な手法を用いて剪定。畑は南向きか東向きで標高は240～500m。全て手摘みで収穫します。収穫後ステンレスタンクにて10-14日間かけて発酵。発酵後9-12日マセラシオン。ワインを果皮から分離し、6-8日間の沈殿後、清澄しラッキングを行ってからマロラクティック発酵。古いバリックに移し14-16カ月熟成。ステンレスタンクに移し一日で瓶詰めします。

熟した赤系果実、バラやスミレ、ドライフラワーにタール、オリエンタルスパイスなど複雑で華やかな印象。口に含むと継ぎ目のない細かなタンニンが心地よく口中を覆う。酸が全体のバランスを支え、しなやかな印象を与えています。

バローロへの情熱に突き動かされたアラン マンリーのワイナリー

マルゲリータ オットは2015年にモンフォルテ ダルバにて設立されたワイナリー。当主はアメリカ出身でスイス人の両親を持つアラン マンリー。ワイン好きな祖父と父の影響で4歳の頃からワインの味見をしていたというアランは大学で経済学を学び就職。その一方で様々なワインを飲む中で特にバローロに魅了されていきます。1995年以降、毎年バローロを訪れブドウ栽培やワイン醸造、畑や生産者の特徴など自分の目で見て知識と経験を増やしていきました。1997年には自らワインバー兼レストランを立ち上げたり（のちに2200本のワインリストを誇る有名店へと成長）、2003年には個人コレクター向けのプライベートセラーの設計や管理を手掛ける事業も展開するなどワイン業界に携わってきました。

2008年、ワイン造りへの憧れが抑えきれなくなったアロンはルチアーノ サンドローネに手紙を書き、収穫とワイン造りを学ばせてもらうことに（自らの事業は2008年までにすべて売却）。それ以降は毎年、秋から冬にかけて6～12週間ピエモンテに滞在し、エリオ アルターレ、バルトロ マスカレッロ、カヴァロット、マリオ マレンゴなど様々な生産者の下で実際に収穫とワイン造りを経験していきます。

バルトロ マスカレッロのマリア テレーザからオファー

2011年、イタリアへの移住を決意したアランはそのタイミングでバルトロ マスカレッロのマリア テレーザから仕事のオファーを受け、10年間マリアの右腕として栽培と醸造を行います。「様々な偉大な生産者のもとでワイン造りをさせてもらって、多くのことを学んだ。例えばルチアーノ サンドローネではセラーを清潔に保つことの重要性を学んだ。それは今のワイン造りにも大きく影響している。それでも自分の好きなバローロのスタイルはバルトロ マスカレッロなんだ。」とアランは言います。2012年からはバルトロ マスカレッロで働くかたわらカスティリオーネ ファレットのペルナンノに0.1ヘクタールの畑を入手し、改装した自宅の地下で500リットルの個人用ワインを造り始めます。2014年の収穫後にセッラルンガダルバのヴィーニャ リオンダの横に0.2ヘクタールの畑を購入、正式にワイナリー「マルゲリータ オット」を設立。現在はモンフォルテ ダルバ、セッラルンガ ダルバ、バローロ村に4つの畑、計3.2ヘクタールを所有しています。

クリュを造らない伝統的なバローロ

バルトロ マスカレッロのスタイルと言えば、全てのクリュを混醸するアッセンブラッジョ (assemblaggio)、そして長期マセラシオンと伝統的な大樽による熟成。アランもこのスタイルを踏襲し、3.2ヘクタールの全ての畑のブドウを合わせて醸造を行っています。「今はバローロもクリュの概念が確立して、多くの生産者がクリュに注目したワイン造りを行っている。それでも僕にとってはアッセンブラッジョが伝統的なバローロだと思うから、どんなに優れたブドウでもクリュバローロは造らないんだ。」現在、アッセンブラッジョワインのみを造っているのはバローロで2生産者のみ。

理想のバローロを表現する樽

マルゲリータ オットが使用する樽はすべてアルト アディジェのボルツァーノにあるミッテルベルガー社製。家族経営の樽メーカーで生産量が少ないうえ、その品質の高さから著名ワイナリーからのオファーが絶えないメーカーですが、ドイツ語が主流のボルツァーノのメーカーに、ドイツ語が母国語（両親がスイス人）のアランは幸運にもウェイティングリストの最上位に来ることができたそう。ミッテルベルガーが使用するオーク材はアルザス産で、オークの成長が非常にゆっくり。そのため年輪間が細かくバローロの熟成にとって理想的な酸素の透過量となります。そのため、オーク熟成中にタンニンの結合が促され、若いヴィンテージでもきめ細かく溶け込んだタンニンを表現することができるのです。