ローヌ地方を代表する造り手でビオディナミの先駆者。『ワインアドヴォケイト』100点を最も多く獲得する老舗「シャプティエ」のエレガントな白ワインです。セイヨウカリン、クルミ、蜂蜜、アカシアが香る複雑で繊細なアロマ。リンデンの木のニュアンス。非常に柔らかくストレートな旨味を感じる味わいで、非常にエレガント余韻の長いフィニッシュです。

マルサンヌ100％で造るエルミタージュ ブラン

2023年3月にブランドアンバサダーのベルナルディン氏にお話を聞きました。

「主に斜面にある三つの区画のブドウをブレンドしています。他の生産者は、マルサンヌとルーサンヌをブレンドして造ることが多いですが、シャプティエはマルサンヌ単一で造っています。熟成可能なワインに仕上げるためにそうしています。ビオディナミのブドウを使用し、一部古い樽も使用しています。クリームソースがかかった魚料理、ヤギのチーズと相性がいいです」

2023年3月にエルミタージュ ブラン シャンタルエット2018ヴィンテージを試飲しました。縁が黄金色に輝く淡い麦わら色。白や黄色の果実が混ざり、ミネラルさやハーブも感じる複雑で濃密な香り。味わいは香り同様で様々な果実が混ざり合う複雑性があります。爽やかさも感じます。

「ル メアル」、「レ ミューレ」、「シャンタルエット」という3つの自社畑のマルサンヌ種を使用しています。ル メアルは、小石が多い、古い河川氷河沖積堆積物の特徴的な土壌。レ ミューレは、土壌は粘土砂利質。赤い粘土質の土壌により、完璧で豊かな特徴を与えます。シャンタルエットは、黄土と真砂土が混ざった土壌で標高の高さが特徴。ゆっくりとした圧搾により抽出。最初の3ヶ月間バトナージュを施します。40％はステンレスタンクで発酵と熟成。残りの60％は600リットルの樽で熟成され、その10％は新樽を使用。残りの90％は1～3年物のオーク樽を使用。

1808年ローヌの銘醸地タン エルミタージュに創業してから7代目ミシェル シャプティエに至るまで一貫した家族経営のもと、畑を守り、テロワールを尊重する姿勢を貫く造り手です。テロワールやその年の特長を土壌に語らせ、それを純粋に表現することが現当主ミシェルの哲学。「自然は常に最終決定権を持っています」という捉え方は、まさしく地球環境を頂点とし、人間はそのサーバント（召使い）であることを示唆しています。

SDGsがそのまま反映されている同氏の姿勢が世界を変えていきます。世界中のワイン専門家や著名ソムリエが一目置く存在であり、ロバート パーカー氏に「地球の輝き煌めく光のひとつ」、「これ以上に並外れたワインを造り出すワイナリーは世界中探してもほとんどない」と言わしめたエルミタージュ最高峰の造り手。

ビオディナミ農法への取り組みも早く、伝統と現代性を組み合わせた革新的かつ謙虚なワイン造りが感動と本物の味わいをもたらしています。その結果、ロバート パーカーから100点満点の最高評価を50回以上も獲得するなどの偉業も果たしています。自然に敬意をはらったミシェル氏の情熱的なワインはまさしく“芸術作品”ともいえます。