北イタリア屈指の銘醸地ピエモンテでもとりわけ歴史が長く、イタリアでも最古、最小DOC区域のひとつとして知られる「ガビアーノ」が造るシャルドネです。

長期熟成が可能で10～20年はゆうに楽しむことが出来るシャルドネ

2019年4月、カステッロ ディ ガビアーノ社の当主、ジャコモ カッタネオ アドルノ侯爵にお話を聞きました。「ピエモンテでシャルドネが栽培され始めたのはおおよそ1800年頃でしょうか。ピエモンテにおいても歴史のあるブドウ品種となっています。シャルドネに関してはブルゴーニュ式に栽培、醸造しています。

収穫は全て手摘みで、低温（約10度）に保たれた小さな小箱に入れて、カンティーナに運びます。プレスは非常に丁寧に行います。ブドウの果皮が少し破れる程度にとどめています。アリエ産のバリックで醗酵、熟成を行います。バリックは5年をめどに買い替えています。8ヶ月間果皮と共に寝かせ、約1週間～2週間の間をとってチェックをしながらバトナージュをして、ブドウの持つ成分をゆっくりと引き出しています。ボトリング後は約2年間の瓶内熟成を経てリリースされます。長期熟成が可能で10～20年はゆうに楽しむことが出来ます。

このボトルの下部は膨らみがあり少し形状が変わっています。1906年のボトルデザインをそのまま踏襲していて、職人に特注して造っています。ラベルは13世紀にこの地を支配していたカルロ大公の言葉で「素晴らしい大地、ガビアーノ」と記されています。約5000本しか造っていません。あまり冷やし過ぎず13度位で楽しむのが良いでしょう」と話してくれました。

北イタリア屈指の銘醸地ピエモンテに位置するイタリアでも最古、最小DOC区域のひとつとして知られるガビアーノ。この丘陵地帯にあるガビアーノ城でワイン造りは行われています。栽培方法はリュット・レゾネ（減農薬栽培）を用いています。畑は全体的に北向きで、標高300メートルに位置しています。アルプスの風を受け、ブドウはフレッシュさとアロマを蓄えます。収穫は少し遅めで、ブドウが金色になりしっかりとしたアロマと糖度を持ってから行います。フランス産オークの新樽にて9ヶ月、瓶内熟成を12ヶ月間行っています。

溢れる果実味とふくらみのある酸の芳醇な味わい

アカシアの香りとハチミツにロースト香、ヘーゼルナッツ、バニラの豊かな香り。口に含むとボリューム感があり、デリケートでまろやかな味わいに思わず頬も上がります。溢れる果実味とふくらみのある酸、ミネラル感とハチミツ等、大変リッチで、後味に甘草とバニラのニュアンスを感じさせる非常に芳醇な味わいです。樽熟成の銘醸ムルソーを想起させるようなボディの厚みと余韻の長さは秀逸です。冷やし過ぎずにお楽しみください。

ピエモンテ最小DOC区域のひとつとして知られる「ガビアーノ」

北イタリア屈指の銘醸地ピエモンテでも、とりわけ歴史が長く、イタリアでも最古、最小DOC区域のひとつとして知られるガビアーノ。ポー川の畔、アスティ県とアレッサンドリア県にまたがり、13世紀の文献にもその名が見られるほど、古くから優秀なワイン生産地として知られるこの丘陵地帯にそびえ立つ古城カステッロ ディ ガビアーノ（ガビアーノ城）の中で優美なワインの数々は醸されます。所有する畑は僅かに20ヘクタール。ピエモンテの最重要品種であるバルベーラをはじめ、フレイザ、グリニョリーノなどの土着品種、そしてピノ・ネロやシャルドネなどの国際品種まで、ほぼ無農薬、すべて手作業にて栽培。城の地下に切りだされた、天然石で囲まれたセラーでの熟成を経て出荷されます。