「カルティッツェ」に次ぐ上級カテゴリーとして認定されている「リーヴェ」のひとつ「リーヴェ ディ サンピエトロ ディ バルボッザ」

DOCGプロセッコの生産所有面積が第1位、さらにヴァルドッビアーデネエリアの1割を所有する実力派生産者ヴァル ドッカを代表するキュヴェ「リーヴェ ディ サンピエトロ ディ バルボッザ」です。DOCG生産地区でわずか3％しか認定されていないトップカテゴリー「リーヴェ」のひとつの上級プロセッコで、プロセッコらしい爽やかさに加えて、上品な複雑味が表現されています！

立っているのがやっとの急斜面「リーヴェ ディ サンピエトロ ディ バルボッザ」

2019年11月6日「ヴァルドッカ」のロレンツォ リスポーリ輸出部長にお話を伺いました。「DOCGヴァルドッビアーデネの畑のなかでわずかに3％しか認められていない、貴重なクリュに相当する区画が「リーヴェ」です。プロセッコのカテゴリーの最上位カルティッツェに次ぐ上級プロセッコになります。現在、「リーヴェ」が43か所に認められています。それぞれがとても小さな村落単位のため、43区画を全部合わせても、DOCG全体のわずかに3％にしかなりません。それほど稀少な区画です。そこで育ったブドウだけで造られるプロセッコが「リーヴェ」の名称付きのプロセッコになります。

リーヴェ ディ サン ピエトロ ディ バルボッザは立って畑仕事をするのが困難なくらいに急な斜面です。そのため水捌けがよく、独得の深みのあるアロマがワインに現れるのが、特徴です。DOCGヴァルドッビアーデネよりも、さらに0.5トンも収穫量を抑えて造られるため、リーヴェ各地区のテロワールを明確に表現したワインに仕上がっています。プロセッコらしい爽やかさに加えて、上品な複雑味があり、季節のキノコをさっとソテーしたものや、リゾットなどによく合います。

プロセッコカテゴリー最上級「リーヴェ」「カルティッツェ」について

DOCGヴァルドッビアーデネの プロセッコのなかには、とくに際立った「クリュ」に相当する2つの名称があります。

「リーヴェ」

DOCGプロセッコ全体のわずか3%のみ。急斜面地を含む43地区が認定されています。単一の村もしくは集落で栽培されたブドウのみの使用が義務付けられており、「リーヴェ」とはこの地方の方言で、”急斜面のぶどう畑”を意味します。DOCG コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ プロセッコ スペリオーレ内にあるテロワールの違いを明確にするという目的で認定されました。「リーヴェ」に認定された畑のブドウは、ヘクタール当たりの収穫量をDOCGより0.5トン少ない13トン以下に制限されています。また、ブドウの収穫は手摘みで行なうことが義務付けられています。現在43のリーヴェが認められており、DOCGのブドウ栽培地域のなかの各地域の特徴を表現しています。

「カルティッツェ」

DOCGプロセッコ全体のわずか1%のみという稀少な畑。指定地区はヴァルドッビアーデネになる、サンピエトロディバルボッツァとサントステファノサッコル集落に跨った二つの馬蹄形の丘陵になった地域のみとなります。この地区のブドウが格別のワインを生むことは、古くからこの地方の人々のあいだで知られていました。というのも、北側を囲む山が冷たい北風を遮ってくれるのに加え、堆石土壌、砂岩、粘土質土壌が混ざり、水捌けがよく、保水性のある土壌条件が、しっかりとしてバランスの良いブドウ樹を育てます。斜面の傾斜角度は場所により７０度にもおよび、ブドウ栽培の作業にかかる時間は平地の数倍にもなりますが、その斜面でできるブドウの品質は卓越していることが昔から知られています。ことに「カルティッツェ」の畑は価値が高く、土地の取引価格はバローロの畑の価格を凌駕すると言われます。

1952年設立の実力派協同組合ヴァル ドッカ

「ヴァルドッカ」は、1952年、北イタリアのヴェネツィアから50kmほどの内陸部の町トレヴィーゾ周辺に畑を持つおよそ100軒のブドウ栽培農家が集まって設立された農業協同組合です。ヴァルドッビアーデネは急峻な斜面を含む自然の地形豊かなブドウ畑の広がる土地です。戦後まもないイタリアで、自然との共生を維持しながらも、人々の価値観や生活のリズムが変わってゆくのに臨機応変に対応して、ともに経済的な発展と幸福をわかちあおうと協力しあうことを決めた農家の集まりでした。

プロセッコに最適なヴァルドッビアーデネの気候と土壌

斜面が多く、水捌けがよいけれども適度に保湿性のある土質。北からの冷たい気流をブロックする丘。ミネラルに富んだ石灰質の岩混じりの土壌。こうした条件がマッチして、古くよりヴァルドッビアーデネのブドウは優れた品質で知られていました。

農業協同組合としての「ヴァル ドッカ」は、収穫時のブドウの糖度やpH値に基づいて、良いブドウには高い報酬を支払う仕組みをつくり、組合員の品質に関するモチベーションを高めてきました。ブドウ栽培は平野部に比べてはるかに時間も労力もかかりますが、労働効率と安全性を高めて確実に高品質なワインづくりを実現するという志を共有する農家の数は次第に増えていきました。

DOCGプロセッコの最大級生産者へと成長

2009年にDOCGへの昇格が行なわれてからは、世界的な需要の急成長に対応するべく全力で生産規模を拡張し、2016年には国内海外の市場を合わせて1300万本もの出荷を記録しました。現在ではDOCGヴァルドッビアーデネの畑のおよそ1割を所有するまでに成長しています。

最上級「カルティッツェ」、上級「リーヴェ」も含め、ヴァルドッビアーデネの1割を所有する最大生産者

「ヴァル ドッカ」の生産ラインはベーシックなDOCプロセッコから、わずか3%の地区だけに認められている上級キュヴェの「リーヴェ」、最上級のクリュにあたる「カルティッツェ」まで広くカバーしています。DOCGヴァルドッビアーデネのおよそ1割を栽培する実力派生産者となった「ヴァル ドッカ」ならではの安定した品質管理や、明確な製品コンセプトにより、家庭用市場から高級ホテル、レストラン市場まで、世界中のスパークリング愛好者のニーズに応えています。