ヴァルポリチェッラ最大級規模の協同組合「ネグラール」のプレミアムブランド「ドミーニ ヴェネティ」

繊細なタンニンとストラクチャー、ミネラルの深みが際立つヴァルポリチェッラ リパッソ「トルベ」

1933年創業、約250軒もの農家が参画するヴァルポリチェッラの歴史ある協同組合「カンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラール」。アマローネの生みの親としても知られる彼らが手掛けるプレミアムブランド「ドミーニヴェネティ」の単一畑、ヴァルポリチェッラ リパッソ クラシコ スペリオーレ「トルベ」です。複雑な香りとバランスに優れたエレガントな味わいが特徴で、グリル、煮込みの赤身肉料理と相性が良いです。

2022年6月にネグラールの輸出マネージャー、アルベルト マッゾーニ氏にお話をお聞きしました。

「アマローネに使用したブドウ（搾りかす）を加えて2回目の発酵を促す、リパッソ製法で造っています。大樽で熟成させていて、しっかりとしたストラクチャーと複雑性を持ったワインです。標高200メートルのトルベという畑で造られていて、標高由来の酸が特徴的です。広さは10～12ヘクタールと限られたエリアです。年間3～4万本ほど生産しています。ドミーニ ヴェネティブランドのリパッソは、もちろんドミーニ ヴェネティのアマローネで出た搾りかすしか使用していません。他のブランドとは使い分けています」

アマローネ誕生のきっかけを造ったカンティーナ

カンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラールは、アマローネクラシコ地区のアルビッツァーノ ディ ネグラールに、この地域の伝統的なワイン造りを守り、消費者に良質なワインを自らの手で提供することを目的に1933年設立した生産者協同組合です。1936年、設立者の一人で組合の代表を務めるガエターノダッローラが、レチョートを造っていたところ誤って発酵を止めずにほったらかしてしまったワインを飲んだところ、「これは単なるアマーロではない、アマローネだ。しかも偉大なアマローネだ！」と叫んだことで誕生したのがアマローネの始まり。これがきっかけとなって「アマローネ」という名前が誕生しました。

着実に成長を続けたカンティーナは、1957年には組合員には80になり、現在の本拠地であるネグラールに新しい醸造所を建設。現在は230のメンバーにまで発展しました。組合員たちが所有する畑は約700ヘクタール。彼らは何世代にわたりこの地に住み、愛情とプライドを持って栽培を行っています。最新のテクノロジーを積極的に取り入れて、専門性の高いスタッフが栽培について指導し、伝統との融合を図っています。彼らの造るアマローネは、『ガンベロロッソ』で最高賞トレビッキエリを何度も獲得。海外の評価誌からも高い点数を受けるなど、ネグラール地区の実力派としての地位を固めています。