1865年からブドウの生産を行って来たエトナの老舗ワイナリー「トルナトーレ」がエトナ伝統品種ネレッロ マスカレーゼとネレッロ カプッチョをブレンドして造る、エレガントな果実味の優雅な赤ワインです。『ジェームズサックリング』で92点、『ワインアドヴォケイト』で91点を獲得しています！（2019ヴィンテージ）

エトナ伝統品種をブレンドして造る「エトナロッソ」

トルナトーレのエトナロッソはエトナ伝統品種であるネレッロ マスカレーゼ97％とネレッロ カプッチョ3％をブレンドしています。最近はネレッロ マスカレーゼだけで造る生産者が増えてきましたが、このブレンドがエトナの伝統です。

ブレンドで際立つバランスと凝縮感

2種類の伝統品種のブレンドにより主張しながらもバランスを与えるしなやかなタンニン、旨味が凝縮、ピュアな果実の風味と土壌由来のミネラルを伴う長い余韻がワインに表れます。赤いフレッシュな果実の風味に溢れ舌触りは滑らかでスムーズ。生き生きとしたスパイス感があり、エトナの特徴がはっきりと感じられるエトナロッソです。

トルナトーレは1865年からブドウの生産を行って来た老舗ワイナリーです。現オーナーの曽祖父が1910年にエトナ山の標高1000mの北側斜面、カスティリオーネ シチリアに2haの畑を購入したことでトルナトーレのエトナでの歴史が始まりました。本格的に瓶詰めを始めたのは現オーナーのフランチェスコ トルナトーレ氏の代になってから。フランチェスコ氏は通信事業の会社を興し、大成功を収めた実業家。ミラノや中国にも支店を持ち、世界を飛び回っていましたが、故郷エトナへの思いが強く、曽祖父が購入したエトナの農園の周りにブドウ畑を買い増し続け、いつしかDOCエトナでもっとも広い畑を所有するまでになりました。

自らワインを造りたいという想いを実現するために長年の友人でプラネタのオーナーであるディエゴ氏に相談。そして紹介されたのがドンナフガータの元醸造責任者でシチリアワインルネサンスの一翼を担った醸造家ヴィンチェンツォ バンビニ氏でした。彼を説得してトルナトーレに招き入れたことで、トルナトーレのワイナリーとしての再出発が始まりました。

醸造設備への投資、そしてヴィンチェンツォ氏の的確なアドバイスのおかげで、初ヴィンテージ2014年からすぐに注目を集めます。『ガンベロロッソ』2018年版に初登場でいきなり「エトナロッソ」2015年が最高賞トレビッキエリを受賞。その後も、毎年最高賞を獲得し続け、その名声が高まっていきます。しかも、赤も白も最高賞を受賞し、バランスよく評価されています。

エトナ北部は優れた赤ワインの産地として知られているため、当初はほとんどが黒ブドウ（ネレッロマスカレーゼとネレッロカップッチョ）が植えられていましたが、新しく植樹する畑には白ブドウを植えるようにというヴィンチェンツォ氏の助言もあり、現在、トルナトーレの70ヘクタールの畑のうち20ヘクタールが白ブドウ。ヴィンチェンツォ氏の先見の明もあり、トルナトーレは白ワインに対しても高い評価を受けています。