バローロの最良の姿のひとつを具現化した現代バローロの雄として称賛され続けているパオロ スカヴィーノ。当主のエンリコ エンリコの父パオロ、祖父ロレンツォの時代から、真摯にワイン造りに取り組んできた1921年設立の歴史あるワイナリーです。

パオロスカヴィーノが表現するバルベーラ

バルベーラ ダルバはラ モッラ村のブリッコ マネスコッタと、ロッディ村のブリッコ アンブロージョの二つの畑の樹齢30年のブドウから造られています。バルベーラはとても生命力の高いブドウで、樹齢が若いうちはブドウが自分をコントロールできないので、畑での作業がとても大切。畑での作業を妥協しないパオロスカヴィーノならではの気品が表現されています。

イキイキとした豊かな酸と果実味のよいバランス

畑は標高265ｍにある黄灰色の砂岩、石灰土壌で、ブドウはグイヨ仕立てで育てています。手摘みで収穫されたブドウは天然酵母を利用してステンレスタンクで発酵。その後マロラクティック発酵も行っています。ステンレスタンクでの熟成を経て出荷されます。グラスから立ち昇るフローラルで上品、豊かな香りがとても鮮やかで、バルベーラならではのイキイキとした豊かな酸がありながら、果実味とのバランスが取れています。舌触りはとてもふくよか。抜群の飲み心地で、肉料理など幅広い食事と合います。

パオロ スカヴィーノはバローロDOCGエリアの中心部カスティリオーネ ファッレット村に、現当主エンリコ スカヴィーノの祖父、ロレンツォによって1921年に設立されたワイナリーです。当時から品質に対するこだわりは高く、「完璧なブドウしかセラーに持ち込まない」、「セラーは常に清潔に保つ」といった現代と同等レベル以上の品質管理を行なっていました。

老舗のワイナリーですが、エンリコ氏はかつて「バローロ ボーイズ」といわれた、モダンバローロの造り手としてよく知られています。バローロが売れなくなった時代、「いかにして受け入れられるワインを造るか」を命題に、ワイナリーの垣根を越えて同じ想いを持つ生産者同士が切磋琢磨して取り組み成し遂げた改革を行い、新樽バリックやロータリー ファーメンターなど新しい技術を率先して取り入れ、バローロを牽引してきたエンリコは、祖父や父を通してバローロの伝統を学び、極めてデリケートな葡萄、ネッビオーロと向き合う事に心血を注いできました。

ネッビオーロの個性を追求し、一切妥協のない畑仕事を怠らず、優れた畑の個性を引き出し、バリックと大樽を併用するなど、弛まぬ努力と挑戦を重ねてきたが故に、現在の揺るがぬスカヴィーノの存在があります。また、高い品質を保つために、1936年～1993年の間に4度も、カンティーナの改築を行うなど、設備投資にも注力しています。

「伝統派とかモダン派とか、パオロ スカヴィーノのカンティーナにはそんな議論は一切存在しない。ここにはバリックもあれば大樽もある。ブドウの状態によって最適な樽を選ぶだけ」 と語るエンリコ氏。現在は醸造を学んだ娘エリザと共に、緻密でありながら圧倒的な力強さと気品とを併せ持つワインを造りだしています。