カンパーニャの固有品種にこだわり、ビオロジック農法でワイン造りを行っている造り手ファットリア ラ リヴォルタが、グレコ種100%で造るリンゴやハチミツを思わせる果実のニュアンスに、美しい酸があり、バランスが取れた味わいのすっきり系辛口白ワインです。熟成に伴いアプリコットや桃を思わせる果実味も感じられるようになります。

2021年7月にラ リヴォルタのオーナー、パオロ氏にお話を伺いました！

「グレコはイタリアの白ワインの中でも特別に複雑な品種です。赤ワインにとても近い白ワインに表現されています。ファランギーナとほぼ同じ醸造ですが、マセレーションは7日間くらい長く行いました。グレコの果皮からは色素成分が出るので、それを生かした醸造の仕方をしています。私たちは、あらゆる食事と合わせられるワイン造りも重要視しています。このグレコは、ロブスターやカニなどの甲殻類、野菜類、フレッシュなチーズとよく合います」

グレコ種の特徴

グレコを用いたワインは淡い黄色を発し、アプリコット、パイナップル、モモといったフルーツのアロマを持っています。なめらかで心地よい酸と、豊かな果実味のバランスの取れた味が特徴で、余韻も長く続くワインに仕上がります。またミネラルが豊富なことから、長期間の熟成にも耐えます。

2021年7月に「タブルノ グレコ」2019年を試飲しました。非常に濃い黄金色。抜栓後の香りは繊細でしたが徐々に力強さが現れます。白い花、ミント、柑橘系の皮、レモン、アーモンドの香り。レモンなど柑橘系のフレッシュな酸味とミネラルが豊富な味わい。

「リヴォルタ」とはイタリア語で「改革」の意味で、中世に農民が農地改革を訴え、大地主と戦い勝利したという醸造所のある地域の歴史に由来します。リヴォルタは19世紀初頭から現在までコトロネーオ家が所有し、農家としてブドウなどの栽培を行っていました。現在の当主パオロ コトロネーオ氏が1997年にワイナリーとしてワイン造りを開始。カンパーニャの土着品種と有機栽培にこだわりを持ったワイン造りを行っています。

ブドウ畑はなだらかな日当たりの良い丘陵にあり、標高250～500メートル、石灰質と粘土土壌で構成される土壌です。冬は厳しく夏は温暖で、1年通じて常に北風が吹き抜けるため、昼夜の寒暖差があります。これにより凝縮感がありアロマ豊かなブドウが栽培できる理想的なミクロクリマを生んでいます。現在の当主になってから、所有している約25haの半分を植え替え、すべてカンパーニャ土着品種に変えました。すべての畑でビオロジック農法を実践し、2001年ICEAの認証を受けています。

2009年からヴィンチェンツォ メルクリオ氏をエノロゴとして迎えます。単一品種の白ワインはステンレスタンクで醸造、赤ワインも木樽の使用を極力避けています。これは、土着品種の個性をそのまま生かすため、自身の土地の特徴を最大限に反映させるためのものです。これにより、土着品種のそれぞれの特徴がワインに映し出され、この土地にしかない味わいが表現されています。「ガストロノミア」にも注力している造り手で、あらゆる食事に合わせられるワインの生産を行っています。