ロエロのネッビオーロの優美さが見事に表現されたランゲ ネッビオーロ

バローロエリアのネッビオーロとは違い、砂質土壌主体でエレガンスに富んだロエロ地区のネッビオーロの優美さと、バルベーラの心地よい果実感のブレンドからなる、エレガンスに富んだ丸みのある心地よい味わいが魅力的です。タンニンが非常に細やかで華やかな香りとスムーズな飲み心地は思わずクセになる美味しさがあります。

パワーや力で押し切るタイプではなく、実に優雅で滑らか。単一品種で造られることが主流のネッビオーロとバルベーラにおいて、これまでの概念を変え、新しい可能性を教えてくれる印象的なワインです。暑いときには軽く冷やしても、とても美味しく楽しめると思います。イタリア料理は勿論、軽く冷やして和食とも合わせてみたい1本です。

果実と花のエレガントな香り、繊細なタンニンが導く親しみのある味わい

2022年8月に醸造責任者のパオロ スカイオーラ氏にお話を聞きました。

「1日中、陽が当たる南西向きで、非常にネッビオーロに適した畑です。ステンレスタンクで発酵、木樽でマロラクティック発酵。12ヶ月間、500リットルのトノーで熟成しています。ワインは、スパイスや甘いフルーツの香り。森の木の実のような赤い果実、熟成果実。モダンな造りですが、ストラクチャーのしっかりした、様々なお食事に合わせられるワインです」

非常に高品質なブドウが生まれる区画として歴史的に認知されてきた素晴らしい区画

ポーディオという区画はロエロ伯爵が農園主にブドウの手入れをさせていた1467年より存在する歴史的な区画です。敷地内の収穫量の半分のブドウを領主に納めるのが通例でしたが、この区画に限ってはすべてのブドウが領主に納められ、非常に高品質なブドウを生まれる区画として歴史的に認知されてきた素晴らしい区画です。長きにわたって領主のみが味わうことができたポーディオのブドウは上質かつ華やかで柔らかいタンニンを持ち合わせています。6ヶ月以上の樽熟成と4ヶ月間の瓶内熟成を経てリリースされます。

1467年の文献の記載にもある一番歴史のある畑「ポーディオ」

2018年9月、テヌータカレッタ社最高経営責任者ジョヴァンニ ミネッティ氏にお話を聞きました。

「1467年の文献の記載にもある一番歴史のある畑「ポーディオ」の区画のネッビオーロ85％、バルベーラ15％のブレンドから成るワインです。ピエモンテでは伝統的に単一品種で造るロエロアルネイス、バルベーラダルバ、ドルチェットダルバ、バローロなどがあります。

私達のランゲネッビオーロ、ポーディオはネッビオーロ85％、バルベーラ15％のブレンドから成ります。つまり単一品種で造る伝統ではなく、2つの品種で造る新しいやり方で、今から10～15年前から始めたものです。ネッビオーロだけではなく、バルベーラがブレンドされることでボディに柔らかさが加わり、完成されたスタイルになっています。香りも2種の品種の特徴がミックスされたような印象があります。力強さもありますが、柔らかい味わいでトゲトゲしたタンニンがありません。飲む事に苦しまないと言いますか、心地よく飲めるワインだと思います」

1467年に設立、ピエモンテ最古のワイナリー「テヌータ カレッタ」

テヌータ カレッタは1467年に設立されたピエモンテ最古のワイナリーです。カレッタの名前はケルト語の"CAR"（石）に由来しており、敷地内に大きな石膏があることから名づけられました。ワイナリーはロエロ地区、ピオベージ ダルバに1467年以降変わらず構え続けています。

バローロ、バルバレスコ協会で会長職、副会長職の経験を持つ実力派ジョヴァンニ ミネッティ氏

現在テヌータカレッタを指揮するのはバローロ地区の「フォンタナフレッダ社」で17年間販売ディレクターを経験、バローロ、バルバレスコ協会で2001～2007年まで会長職、2010年まで3年間副会長職に就いた実績をもつ、ピエモンテの実力派ジョヴァンニ ミネッティ氏です

創業当時から例外的に全てのブドウが領主に献上された高品質を誇る畑

1467年、11月28日にモンテアクート地区の公証人によって作成された小作人への譲渡契約の書面において、カレッタ農園としてのワイン造りが行われていた事が記されています。この文書の中では「全てのブドウの半分を領主に献上する事になっていたが、このポディオ（ポディウム セッラエ）の丘陵の畑だけは例外的に全てのブドウが領主に献上された」と記されています。つまり550年前から「いかにこの畑のブドウの質が抜きんでていたか」という事が言えると思います。

中世より領主にぶどうを納めていた歴史からも分かる通り、栽培されたぶどうは非常に優れた品質であります。自社畑ブドウのみを使用しワイン醸造を行っており、「ワインは息をしている食物」であるというポリシーから、サステナブル農法を採用し化学肥料を使わないポリシーを愚直なまで守り続けております。伝統的なエレガントで繊細な味わいが評価されています。

1985年にミローリオ家が所有し、更なる高品質ワインを造るべく技術改革を行う

1811年にロエロ地区のダミアーノ伯爵がワイナリーを所有、1985年にアルバ最大手の繊維業を展開する、ミローリオ家が所有し現在に至ります。カレッタの素晴らしい歴史に着目し購入したミローリオ家は更なる高品質ワインを造るべく直ちに必要な投資を行い、伝統を守りつつも先進技術を最大限に取り入れ、技術改革を行いました。

バローロ地区の中心部にある銘醸クリュ「バローロ カンヌビ」でトップシェアを誇る

所有する畑は全部で約70ヘクタール(ピエベージ ダルバに35ヘクタール)で2014年に『ユネスコ世界遺産』に指定されたワイン生産地であるランゲ、ロエロ地区とモンフェッラート地区に広がります。またバローロ地区の中心部にあるバローロ村で最も銘醸地で、近年（畑の価格に）非常に高値が付き、世界中から注目を集めるクリュ「バローロ カンヌビ」で一番のシェアを誇る2.63ヘクタール（カンヌビは約20ヘクタール）の畑を所有しています。

最も多く生産し最も多く販売している白「ロエロアルネイス」

最も多く生産し最も多く販売している高品質白ワイン、ロエロアルネイス「カイエガ」と、単一畑のブドウで造る2つの赤ワイン、ドルチェットダルバ「イル パラッツォ」、バルベーラダルバ「ブリック クエルチャ」、良い年だけ造る「バローロ カンヌビ リゼルヴァ」は僅か1260本程度のみボトリング。毎年ラベルデザインにテーマを持たせていて、デザインが変わります。オーナーのミローリオ家が繊維業を営んでいる事もあり、毎年異なる様々なデザインの生地が選ばれます。