伊最高峰スパークリング「テッラッツェデッレトナ」突撃インタビュー

2017/03/23
突撃インタビュー
 
2017年3月17日 テッラッツェ デッレトナ社 アレッシア ベヴィラックアさん

「天才エノロゴ」コタレッラがエトナで造るイタリア最高峰スパークリング「テッラッツェデッレトナ」

テッラッツェ デッレトナ社 アレッシア べヴィラックアさんと
『ビベンダ』2015で並みいる銘醸ワインを抑え、イタリアNo.1ロゼに輝いたシチリア、エトナ地区のテッラッツェ デッレトナ社のスパークリング ロゼ。世界的エノロゴであるリッカルド コタレッラ氏がエノロゴを務める2008年創業のまだ歴史の浅いワイナリーです。その快挙はイタリア国内外に瞬く間に配信され、現在世界中から高い注目を集める生産者です。エトナ地区は今から200年以上も前には瓶内二次醗酵による本格的スパークリングの生産地として、イギリスやイタリア王室に納められていた輝かしい歴史がありました。テッラッツェ デッレトナ社の成功により、他のシチリアワインと全く違う個性を持つエトナのテロワールが注目された事は勿論、伝統的なエトナのスパークリングの地位復権に寄与した素晴らしい生産者です。オーナー、ニーノ氏の娘で、テッラッツェ デッレトナ社のエキスポート マネージャーであるアレッシア ベヴィラックアさんにお話を聞きました。

一年を通じて明確な「四季」を持つ「ユネスコ世界遺産」エトナの気候

段々畑2008年にエトナでワイナリーを創業
元々エンジニアで、現在も大学で工学教授として弁を振るう、生粋のシチリア人、パレルモ出身の父ニーノ ベヴィラックアが46歳の時に自らの夢であるワイン造りを叶えるべく2008年にエトナにワイナリーを創業しました。100年以上も放置されていた雑草やいばらが生い茂った中に埋もれるように残されていたブドウの古樹を見つけた父が36ヘクタールの畑を購入した事が始まりです。まず、私たちがワイナリーを構えるエトナの魅力についてお話したいと思います。

ユネスコ世界遺産に認定されたエトナのテロワール
エトナは唯一無二と言って良い程、自然に恵まれた独自のテロワールを有しています。活火山としてヨーロッパ最高峰の高さを誇るエトナ火山の麓に位置しており、2013年にはユネスコの世界遺産にも認定された歴史の深いエリアです。私たちのブドウ畑の標高は650~1000メートルを超える高地にあります。とても冷涼な気候で、昼夜の寒暖差が激しくブドウ栽培に非常に適しています。

エトナ土壌噴火活動により形成されたミネラル豊かな火山性土壌
土壌は長年という噴火活動により形成された火山性土壌です。表土は火山灰が積もって固まったもので、握ると砂のように崩れていきます。ミネラルを非常に多く含んでいます。ブドウにとっては、表土の火山灰が自然肥料的な役割すら果たしています。出来上がるワインから火山由来の豊かなミネラルが感じられます。

冬には雪も積もる。他のシチリアワインと決定的な違いを持つエトナの気候
典型的な地中海性気候のシチリアはイタリアで一番気温が高い州と言われていますが、私たちのワイナリーのあるエトナの畑は他のシチリアのブドウ畑と違い、一年を通じて「四季」が明確に存在している事が特徴です。

冬のエトナ春は気温が15~16度で暖かいのですが、夏になると、日中帯は気温が35度にまで上ります。これはブドウが完熟するのに必要な温度です。一方、夜間は15度にまで落ち込みます。この気温差がある事で、ブドウの糖度が上がり過ぎず果実味も前面に出すぎない、美しいエトナの味わいが保てるのです。10月頃に収穫を終え、冬には雪が積もります。山岳地帯の特徴を持つこの変化に富んだ気候風土こそ、他のシチリアワインとの決定的な違いを産み出しているのです。

自然公園内に広がる恵まれた環境で造られる
畑はエトナ山の自然公園内にある斜面にそって段々畑状に広がっています。ブドウだけでなく、樫や栗の木、その他多くの動植物が共生している豊かな自然環境の中に位置しています。

古樹樹齢70~100年超の古樹による凝縮感と深みのあるブドウ
ワイナリー名でもある「テッラッツェデッレトナ」とは「エトナの段々畑」を意味し、シチリアで伝統的に行われているアルベレッロ仕立てで栽培します。所有する畑の大部分を占めるのが土着品種の黒ブドウ、ネレッロ マスカレーゼで、ピノ ネーロ、シャルドネ等を栽培しています。因みに、「ネレッロマスカレーゼ」はネレッロ(アルベレッロ仕立ての黒ブドウ)、マスカレーゼ(マスカリ地区)という名の由来があります。樹齢な70~100年を超える希少な古樹があり、生産量こそ少ないですが、凝縮感と深みのあるブドウが産み出されています。

シチリアの伝統と自然をを尊重したワイン造り
2008年創業のまだ新しいワイナリーですが、シチリアの伝統に対するリスペクトを持ち、自然を尊重したワイン造りを行っています。ですので、畑は全て手作業、化学肥料や農薬等は使用せず、全て有機農法でブドウを栽培、収穫もブドウの粒をひとつ一つチェックしながら行います。ワイン以外にも有機農法でフルーツやキノコ、クワの実等を栽培しています。

1800年代に名を馳せた瓶内二次スパークリングの名産地「エトナ」

シャンパーニュエトナ1800年代にイタリア王室御用達の瓶内二次スパークリングの産地として名を馳せる
エトナは近年特に注目集めるエリアですが、ブドウ栽培の歴史は非常に古く、1800年代には「Champagne Etna」という名で、その当時からメトドクラシコ(瓶内二次醗酵)による高品質なスパークリングワインが造られていました。当時はイギリスに輸出、イタリア国内では主に王室が使用していた輝かしい歴史を持っています。

伝統と現代の醸造技術が感じられる新世代のエトナ産スパークリング
私たちはエトナの伝統であるスパークリングの醸造に取り組み、現代の醸造技術で「伝統と斬新」が感じられる新時代のエトナのスパークリングワインを造っています。現在では機械化が進んだルミアージュ(動瓶)も約3万本を毎日手作業で行い、一本一本細心の注意を払い伝統に基づいた醸造、熟成をしています。

 

世界的エノロゴ「リッカルド コタレッラ」とチャレンジした本格的なスパークリングワイン造り

リッカルドコタレッラ氏世界的エノロゴ「リッカルド コタレッラ」とチャレンジした本格的なスパークリングワイン造り
元々畑に植えられていたピノ ネーロ、シャルドネを使ってスプマンテを造る事を後押しした人物こそ、世界エノロゴ協会の会長で、「モンテヴェトラーノ」を世界的名声に押し上げたエノロゴ、リッカルドコタレッラ氏でした。父と非常に仲の良い友人関係にあるコタレッラ氏はワイナリー創業時からエノロゴを務めています。

常に新しい事にチャレンジするコタレッラと意気投合
コタレッラ氏は常に新しい事にチャレンジする精神の持ち主で、「メトドクラシコによる本格的なスパークリングを造ってみないか」と提案されました。父はコタレッラが所有するワイナリー「ファレスコ」でマーケティングや醸造学を学んだ経験があり、その時はコタレッラの自宅に滞在し、食事も一緒に取る親しい関係にありお互いに気心の知れた仲となっていました。そうしたことからエトナでのワイン造りにおいても意気投合し、創業した2008年に白、ロゼ2種類のスパークリングと赤ワイン「チルネコ」を造りました。

2015ビベンダ『ビベンダ』2015でイタリアNo.1ロゼに輝く
情熱的な父とコタレッラ氏が「今のマーケットにはない新しいワイン」として共同で造り上げた「ロゼ ブリュット 2011」が『ビベンダ』2015で最優秀ロゼとしてNo.1評価「オスカー デル ヴィーノ」を獲得しました。これまで話題にも上がらなかったエトナのスプマンテが銘醸地フランチャコルタや伝統的生産者を抑えて受賞し、イタリア国内外に「エトナの高品質スパークリング」として私たちのワイナリーを知らしめる良い機会となりました。この成功を機に赤や白ワインも造ってみようと思いました。

ビベンダ2017イタリアと日本でのみ流通する僅か1000本の上級キュヴェ
もう一つのロゼ スパークリングが50ヶ月熟成の「ロゼ ブリュット50 メージ」です。2011年のロゼを更に瓶熟させて造った僅か1000本足らずのキュヴェで、イタリア国内では主にミシュラン星付きのレストランで楽しむ事が出来る限定品です。2016年末にはイタリア政府高官のパーティーでも飲まれました。国外では日本でしか流通していません。生産本数が少なく、限られた方のみとなってしまうのですが、日本の皆様に是非とも楽しんで頂きたい一本です。『ビベンダ』2017で最高賞5グラッポリを受賞しています。スパークリングを通じてイタリア国内外の皆様に私たちの存在を知って頂きたいと思っています。

エトナの希少古代犬種「チルネコ」から付けられたフラッグシップ赤

チルネコ犬ネレッロマスカレーゼ100%の古樹から造るフラッグシップ
ネレッロ マスカレーゼ100%で造る赤ワイン「チルネコ」はワイナリー創業2008年当初から造られるワインです。一番古いブドウの古樹(樹齢70~100年超)から厳選して造られるネレッロ マスカレーゼ100%のフラッグシップワインです。

エトナの希少犬種「チルネコ」から付けられたワイン名
このワイン名の由来は3000年程前に古代エジプトで発見されたチルネコ犬を意味しています。元々はエトナ山岳地域に生息する猟犬の一種です。現在生息頭数は非常に少なく、エトナでも見かける事が少なくなりつつある希少種です。ワイナリーでは敷地内に2頭の「チルネコ」を飼っています。エトナの歴史と共に生きたチルネコ犬から名づけられたワインは、エトナの大地、歴史との強い結びつきを表現しています。

ヴェロネッリ『ヴェロネッリ』2014で最も印象に残る20本「イルソーレ」を獲得!
2010年ヴィンテージが国際的ワイン誌『ワインアドヴォケイト』で92点を獲得、『ヴェロネッリ』2014では全体の僅か20本だけに与えられる賞「イルソーレ」(最も印象に残る1本)を受賞しました。「まるでタオルミナの美しい海に映えるエトナ山の噴火の如く煌びやかな印象を持つワインだ。妥協をすることなくワイン造りを行い、優れたエノロゴ共にあっという間に素晴らしい成功を収めた」と評されています。攻撃的な要素は無く、重厚感がありながら非常にエレガントなエトナらしい味わいです。

『ビベンダ』イタリアNo.1ロゼ!上級シャンパーニュを彷彿
させる36ヶ月熟成の深み
「天才エノロゴ」コタレッラがシチリアで唯一手掛ける希少ロゼスプマンテ
ロゼ ブリュット 2011
ロゼ ブリュット 2011


エトナ北西部ランダッツォにある標高750~900メートルに位置する畑は冬の寒さは厳しく、しばしば雪が降ります。夏の日中の気温は35度に達するのに対し、夜間は18度にまで下がり寒暖差が非常に大きく、ブドウ栽培に理想的な環境が整っています。畑は火山性土壌で平均樹齢7~15年のブドウが栽培されていて、1ヘクタールあたり9000本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。
試飲コメント:細やかな泡が立ち上る非常に淡いロゼカラーです。赤スグリやラズベリー、フランボワーズの清らかな果実香に、涼しげなミネラルと仄かなバラの香りが綺麗に重なります。飲むと、メリハリの効いた果実感としなやかな酸味、上品なスパイス香と繊細で洗練された美しいボディが心地よく感じられます。

土着品種ネレッロマスカレーゼにプティヴェルドをブレンド!凝縮感のある果実感とボディの強さを楽しめる「クラテーレ」
ロゼ ブリュット メトド クラッシコ 50メージ 2011
ロゼ ブリュット メトド クラッシコ 50メージ 2011


クラテーレの畑は標高650~850メートルに位置するエトナ北部ランダッツォの北西向きの斜面にあります。この地区はテッレ ネーレやジローラモ ルッソ、フランクコーネッリッセン等のワイン生産者がひしめき合う地区となっています。2010年からクラテーレはボトリングしています。親しくしているシチリアを代表する生産者、タスカ ダルメリータから「価格をもっと高くつけるべきだ。品質が良いのに対し価格が良心的だ。」と評されています。
試飲コメント:プルーンやカシスの力強い果実香にタバコやレザー、ミネラルのニュアンスが混じり合う芳醇な香りが感じられます。凝縮した果実の豊かさとタンニンがありながら、高い次元でバランスが取れています。丸みのある心地よい飲み心地と確りとしたボディの深い味わいが楽しめます。中盤から彫りの深いミネラルと上質の酸がこのワインのボディを引き締めていて、ダイナミックな印象ながらもとても洗練されたスタイルの良さを感じます。赤身肉やジビエ、ラム肉等に非常に良く合います。

瓶熟30カ月以上!
エトナのミネラリーな
テロワールを見事に表現!
清らかな旨み溢れるシャルドネ100%本格派スパークリング
キュヴェ ブリュット 2011
キュヴェ ブリュット 2011


エトナ地区のシャルドネ100%で造る瓶内二次スパークリングです。ヴィンテージシャンパーニュにも匹敵する30~36ヶ月間の熟成期間を経てリリースします。エトナ地区の火山性土壌の溢れんばかりのミネラルと輝かしい酸が溶け合うハイレベルな仕上がりとなっています。みずみずしいエレガンスが感じられ、これがシチリアのワインとは到底想像できないような完成度の高いスパークリングです。
試飲コメント:明るい麦わら色で細やかで美しい泡が途切れなく続く優雅な印象です。完熟フルーツに焼いたパンや溢れんばかりのミネラルに柑橘の清々しいニュアンスが美しい層を成す洗練された香りに驚かされます。長期瓶熟による滑らかで深みのある果実感、それを支えるデリケートな酸、口中で伸びてゆくような溢れんばかりのミネラルがとても印象的です。エトナのテロワールでスパークリングを造ると「こんなに素晴らしかったのか」と思い知らされる一本です。ミネラリーな上級シャンパーニュを想起させるスタイルがあり、エビやカニといった魚介類、和食とも非常に好相性です。

黒ブドウネレッロ マスカレーゼ100%で造る希少な白ワイン!骨格のしっかりとしたボディと滑らかな飲み心地
チウーリ ビアンコ 2014
チウーリ ビアンコ 2014


白ワインの要望があり、必要に駆られて黒ブドウで造り上げた白ワインです。新たに第三者からブドウを買い付けてまで白ワイン造る事はしたくありませんでした。やはり自分たちで栽培から醸造まで行いたいからです。そうしたことから、黒ブドウであるネレッロ マスカレーゼ100%で白ワインを造り上げました。
試飲コメント:西洋ナシやマンゴーの豊かなフルーツ香に柑橘のニュアンスやローズマリー、豊かなミネラルが交錯する充実した香りがあります。フレッシュな酸とミネラルを主体にしたメリハリのある果実感、骨格のしっかりとしたボディと滑らかな飲み心地が共存していて、黒ブドウの特性が白ワインでも感じられます。余韻に感じるミネラルの風味とブドウのほろ苦さがあり、興味深い白ワインです。魚介料理は勿論、春野菜のフリットや、カポナータ等の野菜料理と好相性です。

エトナらしい華やかな芳香と豊かな風味が楽しめる「カルース」
カルース エトナ ロッソ 2012
カルース エトナ ロッソ 2012


シチリアの方言で「少年」を意味するカルースはネレッロ マスカレーゼ80%、ネレッロカプッチョ20%のブレンドから成ります。昼夜の寒暖差が大きいエトナ北部ランダッツォ地区にある標高650メートルの火山性土壌の畑で1ヘクタールあたり約6000本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。例年10月中旬から収穫を開始し木樽で6カ月熟成後、瓶内熟成6ヶ月を経てリリースされます。
試飲コメント:綺麗に熟した野イチゴやラズベリーの華やかな芳香に、ミネラルやスパイスのニュアンスが溶け合う繊細で上品な印象を持つ香りです。しなやかな果実感と丸みのあるソフトなタンニン、彫りの深いミネラルのハーモニーがあり、非常に滑らかな飲み心地があります。中盤から果実やスパイスの風味溶け合い、口中で豊かな広がりを魅せます。奇をてらわないブドウ本来の味わいが十分に楽しめる実にエトナらしい一本です。

『ヴェロネッリ』で年間ベスト20「イルソーレ」を獲得!濃厚かつエレガントなフラッグシップ「チルネコ」
チルネコ エトナ ロッソ 2010
チルネコ エトナ ロッソ 2010


チルネコはワイナリー創業2008年当初から造られるワインです。一番古いブドウの古樹(樹齢70~100年超)から厳選して造られるネレッロ マスカレーゼ100%のフラッグシップワインです。2010年ヴィンテージは『ワインアドヴォケイト』誌で92点を獲得、ヴェロネッリ2014で94点を獲得しています。攻撃的な要素は無く、重厚感がありながら非常にエレガントな味わいです。
試飲コメント:深いルビー色にガーネットが入る魅力的な色調です。熟したベリーの香りとバニラの芳醇なニュアンスが見事に重なる濃厚でエレガントな印象です。飲むと、厚みのあるミネラルと骨太の果実感の非常に力強い味わいにエトナらしい洗練された酸と旨みが上品に溶け合っています。ネレッロ マスカレーゼの強さと繊細なタッチが共存した素晴らしいレベルにある赤ワインです。

「天才エノロゴ」コタレッラが
エトナで造る長熟ピノ ネーロ!
火山性土壌から産まれる
力強いボディと滑らかで
美しいミネラルの風味
ピノ ネーロ シチリア ロッソ 2011
ピノ ネーロ シチリア ロッソ 2011


スパークリングと同じ畑のピノ ネーロを使っています。エノロゴのコタレッラ氏とエトナでピノ ネーロを造ろうと意気投合しました。やるのならブルゴーニュのコピーのようなワインでなく、エトナを独自の個性を表現した最高レベルのワインを目指しました。エトナの火山性土壌から産まれるこのワインは、力強くも繊細さを兼ね備えていてテロワールの特徴が良く表れています。
試飲コメント:熟したチェリーや野イチゴの華やかで深いアロマと、彫りの深いミネラルが溶け合い、堂々たる存在感を放つ香りです。凝縮した果実の力強さ、キレのある酸、熟したタンニンが高いレベルで見事な調和を成しています。エネルギーとパワーに満ちた充実したボディを持ちつつもピノ ネーロならではの滑らかで美しいタッチは健在です。古代から火山活動を続けるエトナの大地ならではの強烈なインパクトを残す、他に同じような味わいが見当たらない、唯一無二のピノ ネーロです。

土着品種ネレッロマスカレーゼにプティヴェルドをブレンド!凝縮感のある果実感とボディの強さを楽しめる「クラテーレ」
クラテーレ シチリア ロッソ 2011
クラテーレ シチリア ロッソ 2011


クラテーレの畑は標高650~850メートルに位置するエトナ北部ランダッツォの北西向きの斜面にあります。この地区はテッレ ネーレやジローラモ ルッソ、フランクコーネッリッセン等のワイン生産者がひしめき合う地区となっています。2010年からクラテーレはボトリングしています。親しくしているシチリアを代表する生産者、タスカ ダルメリータから「価格をもっと高くつけるべきだ。品質が良いのに対し価格が良心的だ。」と評されています。
試飲コメント:プルーンやカシスの力強い果実香にタバコやレザー、ミネラルのニュアンスが混じり合う芳醇な香りが感じられます。凝縮した果実の豊かさとタンニンがありながら、高い次元でバランスが取れています。丸みのある心地よい飲み心地と確りとしたボディの深い味わいが楽しめます。中盤から彫りの深いミネラルと上質の酸がこのワインのボディを引き締めていて、ダイナミックな印象ながらもとても洗練されたスタイルの良さを感じます。赤身肉やジビエ、ラム肉等に非常に良く合います。
インタビューを終えて
元々エンジニアだった父のワイン造りへの情熱と、天才エノロゴ「リッカルド コタレッラ」の意気投合により、素晴らしい復活を遂げたエトナの瓶内二次スパークリング。ワイナリーの歴史は浅いものの、『ビベンダ』、『ヴェロネッリ』のイタリア国内ワインガイドがこぞって最高評価を叩き出すスパークリングの味わいは想像を遥かに超える完成度と美味しさでした。ミネラリーな上級シャンパーニュを彷彿させるエレガンス、エトナ地区らしい果実の深み、ミネラルの豊かな旨みが長く続き、複雑で美しい余韻が確りと感じられました。現在も噴火を続ける活火山エトナの麓で造られる土着品種ネレッロ マスカレーゼ。このような特別な風土を持つワイン産地はやはり他には思いつきません。唯一無二のテロワールから産まれる極上のスパークリング。改めてゆっくりとグラスを傾けてみたくなりました。

それにしても若干24歳のアレッシアさん。終始一人でカンティーナやワインの話を教えてくれ、「最後に日本のみなさんにメッセージをお願いします」とお願いしたところ。見事なご挨拶をしてくださり。終わった時には、思わずみんなで拍手喝さいとなりました。何事にも素直に向き合ってくださるアレッシアさんの真摯な姿勢に感激したインタビューとなりました。ぜひ、アレッシアさんのメッセージを見ていただき、ワインをお楽しみ頂ければ大変嬉しく思います。

テッラッツェ デッレトナ社 アレッシア べヴィラックアさんとトスカニースタッフ
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