2016年10月18日 フォンタナフレッダ社 ロベルト ブルーノ氏
バローロの偉大さを世界中に知らしめた伝説的ブランド「ミラフィオーレ」を復活させ、更なる発展を遂げるピエモンテの名門フォンタナフレッダ |
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19世紀末にイタリアの初代国王ヴィットリオ エマヌエーレ2世の息子アルベルト伯爵が、その所有地を譲り受け偉大なバローロの造り始めたワイナリー、フォンタナフレッダ社。一世紀以上にわたりワイン造りを行い、バローロを初めてヨーロッパ外に輸出した歴史を持ち、『ワインアドヴォケイト』や『ワインスペクテーター』等なかった時代からヨーロッパやアメリカで数々のコンクールで金メダルを受賞、バローロを世界的に知らしめた生産者です。130年以上経った今もそのエネルギーは変わらず、2009年にはワイナリー創業当時の「ミラフィオーレ」ブランドを復活させ伝統を再構築するとともに、2016年には世界30カ国で「バローロ ウィーク」プロジェクトを展開し、バローロの新たな魅力を世界に発信する等、常に伝統と革新が息づくフォンタナフレッダ社。CEOであるロベルト ブルーノ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
初代イタリア国王の息子アルベルト伯爵が1878年にワイナリー「ミラフィオーレ」を創設 |
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ワイナリーの起源は19世紀の半ば、初のイタリア国王となったヴィットーリオ エマヌエーレ2世が軍の兵士の娘ローザと結婚します。妻の為に購入した土地(元々は狩猟用)セッラルンガにある地名「フォンタナフレッダ」(冷たい泉)の名をとり、妻ローザに「ミラフィオーレ ファンタナフレッダ夫人の称号を与えました。
二人の間に生まれた息子エマヌエーレ アルベルト ミラフィオーレ伯爵が1878年にワイナリー「カーザ エマヌエーレ ミラフィオーレ」(フォンタナフレッダの前身)を創設しました。アルベルト伯爵は当時の貴族階級としてはとても珍しく、真の企業家としてワインの醸造に情熱を傾けた人物で、莫大な資金を投入し当時のワイン産業そのものに変革をもたらしていきます。 まず、それまでの小作農制度を廃止、ただただ広がっていた畑を美しく改良します。当時の記者達は「ミラフィオーレ伯爵の畑はアルバ周辺地区で一番美しい」と記述が残っているほどです。 |
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バローロを世界的な赤ワインとして知らしめた先駆者 |
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1ミラフィオーレは初めてヨーロッパ外にバローロを輸出した生産者として世界的な地位を確立していきます。『ワインアドヴォケイト』や『ワインスペクテーター』等無かった時代にミラフィオーレの物でアメリカで絶賛され、コンクールで金賞を数多く受賞するようになります。海外ではイタリア初代国王の息子が造るバローロとして、ますます注目を集め、1888年ブリュッセル、1890年エディンバラ、1892年シカゴで金賞を獲得し、一気にその名が世界に知られるようになっていきます。 | ||||||||||
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70年振りに復活した伝説的ブランド「ミラフィオーレ」のバローロ |
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フォンタナフレッダ社として新たなスタートを切る 当時としては珍しいバローロの商業広告を出したりする等、ミラフィオーレはビジネスをさらに拡大させていきますが、時の世界大恐慌のあおりを受け、1930年に倒産します。1932年、屋敷と土地はシエナ銀行に、「ミラフィオーレ」の商標はガンチア家に売られることになりました。土地とワイナリーを得たシエナ銀行は新たにフォンタナフレッダを商標登録しその名でワイナリーを再スタートさせます。 70年振りに創業時のブランドを取り戻す |
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創業時と同じ畑、品種、製法で本物の偉大なバローロを目指す |
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悲願だった創業者の名前「ミラフィオーレ」が70年振りに戻ってくる事となりワイナリーは歓喜に包まれました。ピエモンテの伝統を表現した特別なワインシリーズとして「ミラフィオーレ」が復活することとなります。復活を果たしたミラフィオーレのワインは「本物の偉大なクラシックなワイン」というコンセプトの下、創業時と同じ畑、同じ土着品種、創業時と変わらない長期間のマセラシオン製法にまで取り組み、徹底したクラシックなワイン造りとなっています。
熟成においても創業時から使われている「王のセラー」で木樽熟成されます。「ミラフィオーレ」はここで産まれたという思いをこめています。王のセラーには当時初めて造られたバローロの熟成に使用した5つの木樽が今も大切に残されています。現在ではフォンタナフレッダのワインのラインナップと伝統回帰した特別なシリーズ「ミラフィオーレ」のラインナップを生産しています |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
130年以上前からセッラルンガでバローロを造り続けてきたフォンタナフレッダ社。時代は変わっても常に揺るがない安定した味わいを支えているのは、ワインを通じてバローロ村の豊かな土地や歴史、風土を知ってもらいたいというワイナリーの情熱にある事を改めて知らされました。「ミラフィオーレ」の復活におけるワインプロジェクトがそれにあたります。そして、より多くの人にバローロを知ってほしい、飲んでほしいというロベルト氏が勧めるフォンタナフレッダのバローロ。余談ですが、20年ほど前、初めて飲ませてもらったバローロがフォンタナフレッダだった事を思い出しました。今改めて飲んで素直に「美味しい」と思える味わい。「いつ飲んでも美味しい」老舗ワイナリーならでは抜群の安定感にすっかり魅了させられたインタビューとなりました。 | ||||||||||
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バローロを偉大さを世界中に知らしめた伝説的ブランド「ミラフィオーレ」を復活させ、更なる発展を遂げるピエモンテの名門フォンタナフレッダ
2016/10/25